自分が人間でなく違う生き物だったとしたらどうでしょう?それも全人類の敵であり脅威となりうる存在であるとしたら。自分は何も危害を与えないのに疎まれ倒される存在であるとしたら、自分の価値をどこに見出すのでしょうか?
その事がテーマとなる漫画「亜人」。この漫画はアフタヌーンに連載されている漫画で作画を桜井画門さん、原作三浦健儺さんの共作です。
亜人のあらすじ
主人公永井圭は医学部志望の秀才で学校でも一目置かれるも浮いた存在です。そんな折学校で不死の生物「亜人」について授業が行われます。亜人は不死の生物で人間と遜色ない格好をしていて死ななければ分からないと言われています。
そして捕獲した時には莫大な賞金が出るとも言われています。その授業の後子供の頃の記憶を思い出す圭。それは飼い犬が死んだ時に見た黒い幽霊。そんなことを考えながら歩いていると、圭の不注意でトラックに轢かれます。
誰もが即死と思われた時に圭はゆっくりと何事もなかったように立ち上がります。パニックに陥るクラスメイト。圭は亜人だったのです。彼は傷一つなく歩き始めます。
そこから圭の周りの環境は大きく変わり彼は警察や高額報酬を望む人々に追われてしまいます。そんな彼を救ったのは最近では避けていた海斗(カイ)でした。それからその人々との戦いから大きな戦いの渦へと二人は巻き込まれていきます。
二人の逃走は波乱含み
ネタバレです。圭は亜人です。冒頭のトラックに轢かれた事ですぐに分かりました。そして亜人と呼ばれる者は好機の目と欲にくらんだ者に狙われます。それはお金の為・名誉の為と思惑はそれぞれですが、そのやり方が酷すぎます。死なない事が分かっているので手加減なしでいたぶります。ここに人間の醜さが見えます。
そして人間であると思われるカイにも向けられます。しかし亜人も負けていないです。亜人は世界で48人、日本で2人が確認されています。その中には人類に対して激しい敵意を持つ佐藤(自称)と田中がいます。佐藤は酷い扱いを受ける亜人達の復習を企んでいます。
そしてその亜人を追い詰めるのが亜人監理委員会の戸崎と下村泉です。この下村は亜人なのですが、事情があり戸崎にかくまわれています。
安息の地を目指す逃げる事で精いっぱいである圭とカイ。しかし二人が逃げる中で圭の心情にも変化が出てきます。「僕は悪くないのに」そしてその言葉が最後に「殺してやる」と変わっていきます。自分が何者かなぜここまで追い詰められのかその答えを捜し二人は逃げていきます。
まとめと感想
「亜人」は謎が多い漫画です。1巻は多くの説明と人物の相関を表しているようでした。まず疑問は亜人とは何者なのかという事に迫ります。亜人は不死の生き物であり本来は穏やかな生物なのですが、人間が関与する事により凶暴化していく様は悲しくもあります。
この亜人の1巻には多くの伏線が隠されています。まず注目するのは圭の妹の存在です。幼い頃の記憶の中で飼い犬が死んだ時に不良品と言った母親の話が出てきます。この幼い頃の話は何かこの物語の軸のような気がします。
亜人=不良品と言った人間の考えがこの話のスタート地点のような気がします。それが今回どんどん凶暴化する圭にも見えてきます。まだ早いかもしれませんがこのエピソードは後々重要な意味を持つような気がします。
そしてその時にあった黒いお化け(亜人)と会うのですが、後に説明されるのですがこの黒いお化けは亜人でないと見れないという事は圭が亜人であったという事を暗に示しています。
今後の圭の動向も楽しみですが海斗がどのように関わるかも楽しみです。大きな謎解きと二人の冒険が物語の軸となっていき亜人である事に苦しみながらも凶暴的な亜人へと覚醒していく圭がどのように克服するか楽しみです。
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