今話題になっている「いぬやしき」。このいぬやしきの表紙を見ると犬がたくさん出て来て、犬とおじいさんとのハートフルな話かと思いきや大きな問題を突きつける衝撃作です。
とても切ない物語かと思いきや衝撃的な展開に驚きを隠せません。淡々と進む物語と描写の細やかさが魅力です。「GANTZ」の作者奥浩哉さんの最新作もおもしろいです。
「いぬやしき」のストーリーは?
ストーリーは主人公典型的な窓際のサラリーマンの犬屋敷壱郎は家族の中でも発言力もなく疎まれる存在です。その犬屋敷が家を建てる所からこの物語は始まります。
その家も豪邸の裏に隠れ威厳を取り戻すどころか、更に家族から馬鹿にされてしまいます。そんな寂しい日常の中で犬屋敷は犬を飼います。柴犬の「はな子」を家族の反対を押し切り飼います。
そんな中運命を変える出来事が彼を襲います。健康診断の結果で胃がんと診察され家族にも話す事も出来ず、理解してくれるのは犬のはな子だけです。はな子とあてもなく歩き、絶望の中犬を捨てようとするのですが犬のはな子は犬屋敷を追いかけます。
丘の上で泣く犬屋敷。その丘には一人の少年がいました。するとそこに空から何かが落ちてきます。二人と1匹の運命はどうなるのでしょう。
衝撃の展開が犬屋敷を襲う
ここからネタバレです。犬屋敷達に向かって落ちてきたのは実はUFOで、彼等は一度死んでしまいます。そしてその宇宙人にサイボーグに改造されます。「はな子大丈夫だよ」と何事もなく帰っていくのですが、明らかな体の変調に犬屋敷は気付き始めます。
胃がんと言われた体は良くなっていて、身体の他の部分も良くなっています。そして更に彼を襲う驚きはサイボーグ兵器のような自分の体でした。その時彼の頭の中をよぎる最後の言葉「知的生命体2体破壊しました」と言う声。
悩み続けながらももう一人の若者を探す犬屋敷。そんな折に不良の集団が浮浪者に襲い掛かります。その不良達を訳もなく倒し、更にさらし者にします。ここに生きがいを見つけ元々正義感の強い彼は前であれば高校生に絡まれるなどいい所はなかったのですが、無敵の体を手に入れた事で自分の生きがいを見つけていきます。
今後の展開はどうなる
「一人でも多くの人の命を救うんだ」「それが僕が生きている証だ」とつぶやき、生まれ変わった体で生きようとする犬屋敷。彼は新しい道を見つけます。ここで気になるのがもう一人の若者です。
彼の名前は1巻の最後に出ていました。彼の名前は獅子神皓。彼は壱郎の娘麻理の同級生です。彼も何か事情がありそうです。1巻の最後に親友の引きこもり安堂に自分の姿を明かします。驚く安堂。これからどのように物語が進んでいくのでしょうか?
まとめ
「いぬやしき」は決して落ちぶれた男の物語でもバイオレンスなSFではないです。ヒューマニズムをベースに人の葛藤を描いている物語です。犬屋敷は完全なヒーローではなく、むしろ不完全な人間として描かれています。
しかしどこか強さと優しさを感じます。今後は獅子神との絡みがどのように描かれるのか注目です。この作品のもうひとつの特徴である丁寧な描写が見る者を引き付けて続きがすぐに読みたくなります。また電子ブックスでは試し読みもあるので、ぜひこの世界観を体感して下さい。
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