大人になると、人は臆病になってしまうことがあります。傷つかないよう、自分の気持ちをセーブしてみたり、相手を信じようとしなかったり。
今巻では、サラが大人がゆえの臆病さにより、関根を傷つけてしまいます。反動で感情をさらけだした関根は、どう動くのでしょうか? 急展開の4巻です。
「関根くんの恋」4巻のあらすじ
勢いでサラを壁ドンした関根は、サラに、一対一で会わないと意味がない、と自分の気持ちをはき出します。
戸惑いながらも、サラは関根の言葉を受け入れて、二人はデートをすることになりました。物事が望んだ方向に好転するなんて生まれてはじめての経験だ、と感じる関根。このあたりの独白にも、関根の過去の闇が見えます。
そして、関根はサラとのデートにあたり、パソコンでひたすら下調べをします。
「都内 外出 男女 はじめて」こんな中学生男子が検索しそうなキーワードをひたすら調べて回る関根の、三十路モテ男のスペックから想像も出来ないギャップがすごいです。
対してサラは、どこか社交辞令を疑っているような様子で、少しづつ二人の温度差が出来てしまっています。
当日、サラはスポーツカーで来た関根の、隙のない様子に圧倒されます。自分じゃなくてもっと美女でないと関根に釣り合わないと、自分と関根を引き比べてしまうサラは、関根にひかれつつある自分を自覚しながら、その気持ちを抑え込もうとしています。
デート中、関根はサラの言葉に一喜一憂して完全に恋愛モードなのですが、全くサラには伝わっていません。やっと二人だけで遠出したのに…と、わざと遠回りして帰る関根は、サラが車を降りる瞬間、思わず服の裾をつかんで引き留めてしまいます。
泣きそうな関根の顔を見て、思わず店に呼び込んでしまったサラ。
関根の一途な思いは、サラに届くのでしょうか?
「関根くんの恋」4巻のネタバレ
ネタバレです。サラは関根を店に呼び込んでしまい、関根は売ってもらった毛糸で編み物をして、それが完成したら帰るとサラに言います。帰りたくない関根は、そっと完成しそうな編み物をほどきますが、サラにはばれてしまっています。
関根を意識する自分をもてあまし、関根が早く帰ってほしいと思い始めるサラ。うっかりしたらこっちばっかり本気になって翻弄されるのがオチ、という彼女の本音は、ある程度人生経験を積んだ方なら共感出来るのではないでしょうか。
関根を好きになって傷つかないように自己防衛をしようとしたあげく、関根にキスをされたサラは、言い寄った相手に嫌がられたことはないでしょう、いくらでもみつかると思うんです、相手、よりによって私相手に、とひたすら受け身の人生を繰り返してきた関根に言い放ちます。
はじめて言い寄った相手にそんな事を言われた関根は傷つき、帰りの車の中で号泣します。
そして、関根は翌日、徹夜明けのテンションでサラを食事に誘います。迷いながらも食事に行こうとするサラ。しかし関根は電車の事故で待ち合わせ時間に遅れ、おまけに携帯の充電が切れてしまい連絡のとりようがありません。
この事はふたりの溝をさらに広げてしまうのか、それとも災い転じて福となるのでしょうか。
「関根くんの恋」4巻の感想
関根は、俯瞰してみれば恋に右往左往して全く平静ではないのですが、側で見ると顔の良さと無表情さゆえに冷静で余裕があるようにみえるんだろうなあ、と思います。それがサラから見れば本気にみえないゆえんであり、関根が意を決して行動に出ても、信じられずに拒絶をされてしまいます。
関根は経験がないため行動が空回りし、そしてサラはおそらく経験があるゆえに感情が空回りしてしまっているのでしょう。
ある日突然キレイな男の人が目の前に現れて こちらは何の努力もせずに「そのままの君」受け入れ体勢とか どんだけ夢見がち少女漫画だ、というサラの言葉に、彼女の苦悩や人生観が感じられます。
少女漫画のような恋なんてないと思いこもうとしているサラですが、彼女の思い込みを、関根は解くことができるのでしょうか? 今巻は特に恋に臆病になりがちな大人の女性にオススメしたいです。少女漫画のような恋、あるかもしれないじゃない!と夢物語を後押ししてみたくなります。
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