あなたは、顔が良くて頭が良くて運動神経が良い人と聞いて、どんな想像をしますか?おそらく、人生楽そう、幸せそう、苦労がなさそう、といったポジティブな言葉が浮かぶのではないでしょうか。
しかし、この漫画の主人公の関根は、合コン一人勝ちのイケメンでスポーツ万能、成績優秀であるにもかかわらず、無趣味で受け身の人生を繰り返してきた情緒不安定な男です。そんな彼に訪れた恋とは?
読めばパーフェクトな残念男、関根から目が離せなくなってしまいます!
「関根くんの恋」1巻のあらすじ
関根圭一郎30歳は、イケメンでスポーツ万能、成績も優秀ですが、いつも無表情でつまらなそうな顔をしています。既婚者の友人、紺野に誘われた合コンで、自分が無趣味で、何かに夢中になった事がない事に、ふと気づいてしまいます。
何か趣味を見つけるべく、ふらりと立ち寄った手芸屋で、彼は妙な老人と孫に出会います。なぜか老人から手品を習うことになり、彼は手芸屋に通うようになりました。マイペースな老人と、孫のサラに振り回されながら、彼はいつの間にか手芸屋の常連になり、なんとなく流されるままに手芸も習い始めてしまいました。
ある時、紺野が夫婦げんかでたたき出され、関根の家に転がりこんできます。酔っ払いの紺野をタクシーで家に連れて行きながら、関根は紺野の妻、数音の事を思い出します。
数音と関根は、高校からの知り合いでした。保健室で垣間見た拒食症の数音の折れそうな腕、それが関根の脳裏に焼き付いて、今も忘れられないでいます。それ以来関根はガリガリにやせた女が苦手で、数音の細い腕や浮き出た血管を見ると、今も落ち着かなくなってしまいます。
そんないつもテンションの低い関根は、自分の感情に無自覚で、かなり情緒不安定。気がつけば涙を流していますが、なぜ涙が出るのか自分でもよくわかっていません。ハイスペックなのに、どこか何かが欠けてしまっているような関根は、自分の恋を自覚することができるのでしょうか?
「関根くんの恋」1巻のネタバレ
ネタバレです。関根は、かなり受け身で言われるまま流されるままに、寄ってくる色々な女性と関係を持っています。それはしばしば関根の人格を無視するような方法であり、彼には無自覚に心の傷が蓄積されていると考えられます。
また、ふとした拍子に痴漢に遭ったトラウマなどを思い出してしまうなど、整いすぎた外見ゆえに様々な人になぶられたことが、関根の性格に大きな影をおとしているようです。
そして、関根はふとした時に涙を流しますが、なぜ泣いているのか自分でもわかっていません。しかし、それを目撃したサラは、放っておけず色々指摘をしたり、ついおせっかいをやいてしまいます。
「ずっと好きだったんでしょ先輩のこと」と、関根に数音への気持ちを自覚させようとするサラですが、果たしてそれは真実なのか、はたまたサラの勘違いなのか、次巻の展開が待たれます。
「関根くんの恋」1巻の感想
顔が良くて頭が良くてスポーツ万能でおまけに器用なんて、人生が楽しくてしょうがないんじゃないかと思ってしまいますが、この漫画の主人公の関根はそんな恵まれたスペックにもかかわらず、むしろそのことが不幸の原因にさえなってしまっています。
いつも憂い顔で情緒不安定な彼は、自分の感情に無自覚。ファンクラブがあったほど女性にもてていますが、女は勝手に近寄ってきて必ず離れていく、という独白から、おそらく女性とつきあって幸せを感じたことがないのではないでしょうか。
そんな幸薄い彼の人生を見ていると、放っておけないサラの気持ちが理解出来ます。
ハイスペックなのに中身が色々とポンコツな関根は、幸せになれるのでしょうか?
読んでいるうちに、誰でもいいから関根を幸せにしてやってほしいという謎の庇護欲がわいてきます。薄幸の残念なイケメンという言葉が気になった方は、ぜひご覧になってみてください。
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