東海林が菅原事務所から移籍し、先輩がいなくなった楽子ですが、司法修習生も迎え入れ、自分が先輩として仕事をするまでになりました。
タフに仕事をこなしていく楽子と、新天地で事務所内で飼っている犬に癒やされつつバリバリ仕事を片付けていく東海林に、相変わらずの彼らが見られて安心感すら感じます。
そして、移籍前の中道の話は、働く女性、特に男性と肩を並べて頑張っている方には非常に共感出来る部分があるのではないでしょうか。
「そこをなんとか」6巻のあらすじ
東海林が移籍した後、菅原事務所に司法修習生の染谷がやってきました。熱血な彼は、実務修習で検察に行き、出会った検事が修習担当でもない威張りたいだけのセクハラパワハラし放題の人間だったため、検察に失望しています。「割と実話」という注釈にブラックなユーモアが漂っています。
事務所維持のために東海林の抜けた穴をうめるべく、人材確保しようと、菅原達は虎視眈々と染谷を見守っています。あわよくば事務所に居残ってもらえるように頑張ろうと、楽子も人材確保に乗り気です。
そんな折、楽子と染谷は大麻取締法違反の大学生の弁護に向かいます。紙を作ろうと思った、大麻のような有益な植物を違法とするのが間違っていると言い張る依頼人を持て余し気味の楽子ですが、執行猶予を狙って、本人がコリゴリだと思うように言葉を尽くすしかないという横顔には、すっかり先輩弁護士の風格が感じられます。
しかし公判で被告人は、大麻所持のどこが悪いかわからないと演説をぶちかまし、全く反省の色が見られません。青くなる楽子ですが、被告人の両親の鋭い指摘により、謝罪。執行猶予もとれて無事一件落着します。
そして染谷の司法修習も終了し、笑顔でお礼を言う染谷に、楽子はすっかり先輩になった気でいましたが、彼は結局、組織を中から変えたいと検察を選択。再び菅原と楽子の弁護士二人体勢の日々が戻ってくるのでした。
「そこをなんとか」6巻のネタバレ
ネタバレです。大麻取締法違反の案件が終わった後は、楽子は中学生女子の喧嘩のトラブルの仕事を受けます。売り出し中の子役の少女を突き飛ばした少女が、一千万円の損害賠償を請求されているというもの。法外な値段に楽子は驚き、両者の話を聞こうとしますが、親同士がヒートアップして話し合いになりません。
実は、突き飛ばした少女は、突き飛ばされた子役の少女に学校裏サイトで誹謗中傷をされていたのです。誹謗に走った原因は、塾のイケメン教師。二人の少女は教師に恋をし、恋敵の二人は反目し合っていたのでした。教師が結婚を報告すると、一気に少女達の喧嘩の勢いはしぼみました。
菅原の仲裁もあり、治療費のみで仕事は解決。少女達は、長くつきあう友だちになったそうです。
そして、たびたび楽子は、赤星に仕事の相談を持ちかけます。お互い仕事の悩みをうちあける二人は、距離が縮まったかと思いきや、楽子が仕事でダメージを受けた時に連絡をとったのは、東海林でした。
相変わらず報われていない赤星に、希望の光は灯るのでしょうか。
「そこをなんとか」6巻の感想
東海林はいなくなりましたが、楽子は持ち前のタフさで仕事を頑張っています。司法修習生が来たこともあり、今巻の楽子は先輩としての落ち着きすら感じられます。
今まで東海林と頑張ってきたことがちゃんと身についているんだなあ、と感慨深いです。
また、今巻の中道ですが、事務所移籍直前の話では、仕事の話に夢中になりすぎて恋愛フラグを見逃し、へし折る、そして親に結婚の心配をされる、男性社会で働く中で身にまとってしまった鎧の外し方がわからなくなる、など、バリバリ働く女子がおちいりそうな事を色々とやらかしてしまっています。
わかる方は、ものすごく共感してしまうのではないでしょうか。
かわいげがないと自分の事を思いつつも、愛犬家で犬の前では鎧がぽろっと外れてしまう中道が転職を決めたのは、犬を愛でている時でした。
ストレス解消できるものがあるというのはとても素晴らしいことです。婚活でもするか、と少し意識改革をした中道の恋はこれからどうなるのでしょうか?
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