記憶を失った人が体で覚えていた事でそれを利用し新しい旅立ちに出る。そんな話を聞く事があります。人間は頭で覚えた事より体で覚えた事の方がより記憶に残るのかもしれません。
この少年ラケットの日向伊智朗は記憶を失ったのですが、体は卓球を覚えていました。そしてライバルヨルゲンとの交流で少しずつ記憶を取り戻していきます。
少年ラケット2巻のあらすじ
日向伊智朗は火事により父と記憶を失い野球部に所属するもさえない生活を送っていました。そんな時クラスメイトの宮原さんが持ってきた卓球ボールに懐かしさを覚え触っていく内に記憶(体の)が蘇ります。そしてライバルヨルゲンと打ち合ううちに徐々に感覚を戻します。
その後伊智朗は卓球部への転部を決意するのですが、クラスメイトの宮原さんのお兄さんで創設者宮原博治から「伊智朗の卓球が遊びだ」と伝える。その言葉を図りかねている伊智郎に博治はその意味を伝えます。
「卓球はボールを返すゲームでなく、ボールを返させないゲームなんだよ」と告げる。その後続けて言葉の意味を説明します。すると伊智朗は先ほど対戦した博治との対戦を思い出し一つ一つのプレーを分析します。そしてそのプレーの記憶力に驚く博治。そしてその事で彼は3つ目の星になると考えます。ここから伊智朗の新しい戦いが始まります。
新たなる戦い
ネタバレです。前巻で博治に完膚なきまでやられた伊智朗の卓球を遊びとまで言うには訳があり、楽しむだけの卓球は現実的ではないと言われています。つまり卓球は「100m走を走りながらチェスをするようなスポーツである」と言います。
そして場面が変わりヨルゲンは紫王館中・高校で必死に練習していました。この学校で彼は多くの努力を積み上げ伊智朗との対戦を楽しみにしていました。
そして博治は三番目の星について妹の愛に説明してしました。その意味は伊智朗をレギュラーとして抜擢する事でした。ある時帰宅していた伊智朗は卓球部に所属している2年の轟木を見かけます。彼が不良に囲まれ圧倒的な強さで倒す姿を目撃する伊智朗は圧倒的な迫力に圧倒されます。
卓球部のドアを叩く伊智朗を迎えるのは個性的な面々でした。前に不良を倒した轟木誠治、真面目なキャプテン岩元繁雄、乱暴な性格の城島浩二、2年の鳥飼歩、副キャプテンの埋金連十郎といった面々です。そしてこの部員たちの前で博治は衝撃的な一言を放ちます。
伊智朗を「シングルスのレギュラーとして出してもいいかもしれませんよ」。その言葉にレギュラーを獲られると危機感を持った、城島とレギュラーをかけた勝負をする事になりました。果たして伊智朗はこの勝負勝ち目はあるのでしょうか?
感想とまとめ
今回より展開が変わり卓球部に入部してからの話となります。卓球部編の始まりといった所です。そして2巻では登場人物のサイドストーリーも展開されるなど内容盛りだくさんです。
また城島との戦いではキャプテン岩元と轟木との頭脳戦という違う楽しみもあります。また肝心の卓球の解説も初心者にも分かりやすい描かれ方をしていて本物の試合を見ているようで、緊迫感がある戦いが繰り広げられます。
またヨルゲンの鬼気迫る様子や城島の卓球にかける想いなど前述のようにサイドストーリーにも焦点を当てて物語に厚みを持たしています。また肝心の勝負も伊智朗が優勢であったのが城島が弱点をつき盛り返すなどスポーツ漫画の王道的な展開にわくわく感は半端ないです。この巻での決着はつかないことで次の巻への期待感があります。ますます面白くなっていきます。
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