出会いがあれば別れもあり。今巻は、楽子と東海林にとって大きな転換になる動きがあります。
もちろん、楽子はそんな中、食い逃げ、痴漢えん罪などなど……東海林の助けも得ながら、仕事もキッチリ頑張ります。
楽子と赤星、東海林と中道、彼らの距離も少しづつ変わっていく5巻です。
「そこをなんとか」5巻のあらすじ
弁護士バッジを紛失してしまった楽子。弁護士の身分証でもあるバッジは、紛失すると紛失届けを出さなくてはいけない、官報に名前が載るなどペナルティが科されるため、楽子は真っ青になります。そんな中、彼女が請け負ったのは食い逃げ犯の弁護。
妙に小賢しい依頼人は、誰かに法律の入れ知恵でもされた様子で、楽子は持て余しますが、仕事はやらざるを得ません。
また、バッジの悪用の可能性を東海林に指摘され、必死で心当たりを探し回ります。そして、彼女は弁護士バッジがオークションに出されていたとの噂を聞いて、食事をしていた飲食店から、レジにお金を叩きつけ慌てて飛び出します。
しかし運悪く、叩きつけたお札が床に落ち、楽子は食い逃げとして警察に突き出されてしまいます。身分を証明するものがなく、事務所の名刺も拾った物だと疑われる楽子は、思いあまって赤星に連絡をとり、身元を保証してもらいます。なぜ俺を呼んだのかという赤星の言葉に、赤星が最初に浮かんだという楽子。思わず赤星は楽子を抱きしめます。
しかし楽子の携帯に名前の順番の関係で一番に名前が出るのは「あ」の赤星。フラグと思いきや斜め上の理由に、楽子の恋はどこに進むのでしょう。ちなみに楽子が担当した食い逃げ犯は、5回の公判の末に有罪になりました。
「そこをなんとか」5巻のネタバレ
ネタバレです。楽子は食中毒にかかり、東海林が楽子の担当の仕事を引き受けることになりました。案件は痴漢容疑。
あくまでやっていないという依頼人に、東海林は認めて罰金を支払えばすぐに釈放されるが、無罪を主張して起訴されれば裁判で一年がかり、依頼人は子供が生まれたばかりであり、社会生活を守るためには認めた方が手っ取り早いとアドバイスします。
しかし、この件は、被害者が電車の中の携帯電話の使用を注意されて逆恨みしたえん罪。東海林はやってないなら、10日我慢してくれれば不起訴になるよう全力を尽くす事を依頼人に約束していました。
自称被害者に揺さぶりをかけ、無事被害届は取り下げられます。東海林はふと思い出します。内定していた事務所の女の子を東海林が襲ったという噂に、やるはずがないと信じてくれた楽子の事を。痴漢のえん罪をこうむった依頼人に妙に入れ込んでしまったのは――。
楽子の事を回想し、独白しながら眠りにつく東海林。かなり信頼関係が出来つつある様子の二人のこれからを期待したいです。
そして、なんと今巻で東海林は中道のうつる予定の弁護士事務所に声をかけられ、菅原事務所を巣立っていきます。東海林と離れてしまう楽子は、さみしさをこらえながら東海林の門出を祝います。菅原と楽子、ふたりの弁護士しかいなくなってしまった菅原事務所はどうなるのでしょうか――?
「そこをなんとか」5巻の感想
かなりラブコメに傾きつつある今回でしたが、赤星はやはり微妙に報われていない様子で、不憫好きの方にはたまらないのではないでしょうか。
イケメンなのに、エリートなのに、おぼっちゃんなのに、自称Sなのに、意外と一途なのに、不憫という属性持ちの彼に興味を持たれた方は、ぜひ彼の生き様をご覧になっていただきたいです。
そして、今巻では大きく話が展開します。東海林が中堅弁護士事務所に中道と引き抜かれてしまい、楽子との物理的な距離は遠くなってしまいました。信頼関係がかなり出来つつあった二人の、これからの心の距離はどうなるのでしょう?
中道と東海林、楽子と赤星、どう転んでもおかしくないですが、先の読めない四人の関係の変化と、東海林がいなくなった後の楽子の奮闘に、期待が高まります。
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