憧れの先生が、ある日突然自分のお姉さんになる――。誰でも、一度や二度はそんな妄想を夢見たことがあるんじゃないでしょうか。
でも、そんな状況になった主人公・ナツオは相手を好きな気持ちが強すぎる分、戸惑い苦しみます。しかも義妹を交えた複雑な関係です。
そんな、家族となった三人のシリアスな恋愛模様を描いた作品です。大人な世界に引き込まれます。
「ドメスティックな彼女」のあらすじ
高校に通う主人公・夏生(ナツオ)は周りには内緒で小説家を目指し日々小説を書いていて、ただ一人その秘密を知る英語教師・陽菜(ヒナ)に想いを寄せています。学校の屋上でヒナが落ち込んでいたときに出会い、二人は親しくなりました。しかし教師と生徒という関係。ナツオはその叶わない恋を諦めるために参加した合コンで、瑠衣(ルイ)と出会います。
合コンのノリになじめていない様子のルイを、自分も同じ気持ちのナツオは気にかけますが、そんなナツオにルイは二人で抜け出そうと誘い、ルイの家へ連れて行きます。いきなりの展開にうろたえるナツオに、さらに「Hしてくんない?」と驚きのお願いをしてきます。
単なる経験としてのHを望むルイの申し出を、やはりいろんな想いを断ち切りたいナツオは断り切れず、二人は体を重ねました。しかしナツオもルイもこれで何かが変わるわけでもなく、一度きりの秘密だということで別れます。
その後、ナツオはやはりヒナへの想いを諦めきれない自分の気持ちを再確認します。屋上で一人泣くヒナの姿を見たナツオは、真剣な想いを告白しかけますが、教師と生徒、大人と子供というどうしようもない現実を思い知るだけでした。
そんな折、ナツオは父から再婚する意向を伝えられ、その相手が子供を連れて挨拶に来ることになります。ほどなくやってきた上品そうな婦人の後ろにいた二人の娘、それはなんと、ヒナとルイなのでした。
「ドメスティックな彼女」のネタバレ
それぞれの驚きの中で、ルイは初対面を装います。状況に戸惑い複雑な思いのナツオでしたが、再婚相手の都樹子と父の愛情の深さと、それを奪いたくないルイの気持ちを知り、またナツオ自身が父の幸せを願い再婚を了承しました。
新しい家に引っ越し、義理の姉弟という家族として生活することになったナツオに、ルイはHのことはなかったことにすると言います。一方ヒナの無警戒な振る舞いに感情が抑えられなくなったナツオは、泥酔して寝ているヒナにキスをしそうになりますが、ルイに見られ未遂に終わります。
学校では、ナツオのクラスにルイが転校してきますが、自分たちの関係は全部秘密にしていくことになります。その性格からクラスで孤立しそうなルイですが、それを見かねたナツオの親身な態度のおかげでなんとか打ち解けることができました。そして二人の間に少なからず信頼関係が生まれるのでした。
姉弟という生活を続けながら、これまで以上にヒナに惹かれていくナツオは、ヒナが思い悩む恋愛をしていることを知ります。さらに、偶然それが不倫であるということを知ってしまい、呆然とするのでした。
信じたくないナツオは、意を決してヒナを問いただしますが、否定をしません。「大人の世界」のことだと言うヒナに、どうしようもない気持ちになったナツオはキスをして言葉を止めます。
そして、いったんは拒否したヒナは、謝るナツオに自分からキスをし、ベッドに押し倒します。この状況から、二人はどうなっていくのでしょうか。
「ドメスティックな彼女」の感想
想いを募らせる憧れの女性教師と、行きずりとはいえ体の関係を持ってしまった女の子、その二人が義姉・義妹となる。うらやましくもあり、スリリングでもあるこの状況は、読んでいてとてもハラハラします。
ヒナとルイ、二人ともそれぞれに魅力があり、これからその間でナツオの気持ちも揺れ動くのだと思います。複雑なこの恋模様がこの先どんなストーリーを展開していくのか、続きがとても気になります。
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