ドラマ化もされた本作。大人の切ない恋を描いた、心の奥が締め付けられるような物語です。
本来なら許されない愛の形ですが、踏みとどまろうとしながらも強く求め合う二人の姿にに、感動が抑えられません。
「せいせいするほど、愛してる」のあらすじ
栗原未亜はロワール化粧品の広報部でバリバリ働く25才。彼氏からプロポーズされますが、仕事を辞めたくない未亜は、迷うことなく別れを告げます。
未亜には、文芸編集者のあかりと、モデルの千明という小学校からの友人がいます。あかりが担当する新人小説家・久野を交え飲みに行くことになりますが、そこに久野の親友・三好海里もやってきました。
実は未亜と三好はその日の朝に既に会っていて、三好がきっかけで未亜のヒールが壊れるというアクシデントがあったのです。お互いの印象は最悪ですが、ヒールを折ったことに気付いていた三好は未亜を気遣い、二人の間に意味ありげな雰囲気が流れます。
そこに未亜との別れを諦められない元カレがその場に現れます。対処に困り果てる未亜は、不本意ながらも三好に助けを求め、三好は元カレに見せつけるように未亜を抱き寄せキスをしたのでした。元カレも退散し、三好とのキスに心が奪われた未亜でした。
後日、未亜が仕切る新作発表会の最後の挨拶に、新しく就任した副社長が紹介されました。マイクを持つ副社長を見て未亜は驚愕します。そこには、副社長を名乗る三好が立っていたのでした。
予想もしなかった二人の関係は、これからさらに近づいていくのでしょうか。
「せいせいするほど、愛してる」の展開
ここからネタバレです。社長の息子である三好が副社長に就任し、ロワールは噂で持ちきりです。そんな三好が研修として広報部に配属され、未亜が担当することになりました。
一緒に仕事をしながら三好の人間性にふれるたび、未亜の中に忘れかけていたときめきがわき上がり、「女」としてのスイッチが入っていきます。
未亜は確実に三好に惹かれつつありますが、警戒する部分もあり深入りするのを避けます。
そんな中、一人で出張した先で、体調を崩した上にプレゼン資料を忘れ途方に暮れる未亜の前に、そこにいるはずのない三好が現れました。ピンチを救ってくれた三好への気持ちが抑えきれなくなった未亜は三好と抱き合いますが、その手には光る結婚指輪を目にして、踏みとどまります。
しかし、三好が結婚していたと分かった今、それでも三好を強く求める自分を受け入れる未亜は、三好への想いをはっきりと認識するのでした。
そして、三好も同じように未亜に惹かれているようです。会社命令の理不尽なトラブルにも責任を負って未亜をバックアップし、体調をいたわりながらも黙って支えるなど、優しく包みます。
しかし、お互いが強く求め合いながらも、それぞれの境遇にとらわれ続け一線を越えることができません。もどかしいまま、このまま離れていくしかないかと思われる二人でしたが、未亜は三好のことが大好きだという気持ちに従う、ある覚悟をします。
未亜は三好に「愛人にしてください」と告げるのでした。
「せいせいするほど、愛してる」のまとめ
好きだけどどうしようもない、大人の恋に切なくなります。惹かれながらも気持ちを抑えているのは未亜だけではなく、三好もそれ以上に自分の気持ちにブレーキをかけている様子は、胸が痛くなります。
とうとう、愛人になるという選択をした未亜ですが、三好はそれをよしとするのでしょうか。また、そうなったところで、二人に幸せな未来は待っているのかなど、余計なことを考えてしまいます。
そんな現実的なつまらない心配は強く愛する二人には関係ないのかもしれません。そんな二人をこれからも見守っていこうと思います。
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