あなたは大きな障害にぶつかったとき、どうやってそれを乗り越えますか?
自力でひたすら頑張ることや障害を避ける方法を試行錯誤することは勿論大事ですが、特に効果的なのは「味方の力を借りる」ことではないでしょうか。
「赤髪の白雪姫」3巻では、白雪とゼンの今後の関係に立ちはだかった大きな壁を互いに支え合いながら乗り越えていきます。
「赤髪の白雪姫」3巻のあらすじ
イザナは以前ラジ王子が白雪を気に入っていたことを知り、タンバルンとクラリネスの親睦と称してラジを城に招きます。茶会の場でイザナはあわよくば白雪を母国へ送り返そうとラジをそそのかしますが、ゼンに服毒させてしまった際の誓いがあるラジは頑なに白雪と関わろうとしません。
それを不自然に思ったイザナはラジを問い詰め、困窮したラジはとっさに「白雪はゼンが婚約者に考えている相手だから」と嘘をついてしまいます。ラジはゼンと白雪が既に恋仲であると思っていました。ゼンは改めてその場でイザナたちにラジの発言について訂正しますが、すぐに城内で噂として広まります。
白雪はイザナに「ゼンと一緒にいられる立場か考えろ」といった警告を受け、自分の答えを見出せず城を追い出されるのではないかと不安な日々を送っていました。さらに茶会でのラジの安易な発言により白雪はいっそう周囲の目にさらされ居心地の悪い状況になります。
白雪とゼンはそれぞれイザナの圧力に立ち向かう
ネタバレです。
白雪は以前ゼンと語り合った「この国にいる意味」を思い出します。その上で白雪は怯まずに自分の望むように行動することをゼンと約束し、ゼンは必ず白雪の味方でいることを誓います。
ゼンと白雪は改めてイザナに圧力をかけられますが、ゼンは「白雪との出会いを自分が真に辿りたいと思う道の妨げになどしない」と宣言し、白雪も圧力に屈せずゼンと会えた国で生きていくことをイザナに宣言します。
周囲の関心の対象となった白雪は、取り入って得があるか探る不逞の輩に監視されるようになります。心配したゼンは常に側にいられない自分の代わりにオビを白雪の護衛につけます。白雪はオビをあまり快く思っていませんでしたが、オビが単身外出した際にゼンたちが気にしていたラクスド砦へ赴き団員全員の言付けを持ち帰ったことを知り、心を開きます。
白雪とも無事に仲良くなったオビにゼンは「クラリネス第二王子付伝令役」の身分証を渡します。これは白雪を狙う輩への牽制であり、ゼンのオビに対する信頼の証でもありました。
「赤髪の白雪姫」3巻の感想
白雪とゼンはイザナに少しだけ認めてもらうことが叶いました。身分の違いを改めて突きつけられた白雪の悶々とした日々は無駄にならず、ゼンの側に立つ者として一回り成長したように感じます。ゼンもまた苦手意識のあるイザナに白雪を認めてもらおうと立ち向かうことで一層頼もしくなったのではないでしょうか。
オビが正式にゼンの従者として認められたことも嬉しいポイントでした。相変わらずの自由奔放さはありますが、ミツヒデや木々そして白雪ともすっかり馴染んでいる様子が見ていて微笑ましいです。その一方で時折オビは白雪を意識しているような反応を見せるため、今後ゼンと恋敵にならないかハラハラします。
また、ラジが再び登場し予想通り白雪たちに波乱をもたらしましたが、あれ以来少しずつ人間的にも王子としても成長しているように感じます。白雪の母国である隣国の王子としてまだまだ登場する機会がありそうですので、ただのうつけ者だったラジがどのような変化をみせるのか今後の展開が楽しみです。
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