あなたが望む「自分の道」はどのようなものですか?
自分の人生を歩いていく中で、もしかしたら他人にその道を邪魔されたことや、違う道を何度も勧められたこともあるかもしれません。
「赤髪の白雪姫」は「自分の道は自分で決める」ことを信念に持つ主人公が、度重なる波乱に負けずに自らの人生を切り開いていく物語です。
「赤髪の白雪姫」1巻のあらすじ
主人公の白雪は林檎のように赤い髪をもつ薬剤師の街娘です。その髪の珍しさから、馬鹿と名高いラジ王子に愛妾として目をつけられます。白雪は王子による逆らえない誘いから逃れるため家出をし、隣国クラリネスの森の奥の小屋で出会った素性不明の3人と暮らすようになります。
3人の名前はゼンとミツヒデと木々と言い、ゼンは自称紳士のリーダー格で、ミツヒデは心配性のいじられキャラ、木々は冷静沈着な美女です。
白雪のもとに母国タンバルンから林檎の贈り物が届きます。それにはラジ王子からの手紙が添えられており、白雪を国境近くまで迎えに来ていることを知らせるものでした。ゼンはその林檎を口にしてしまい、毒に侵され倒れます。
ゼンの解毒薬を手に入れるため白雪は単身でラジ王子のもとに行きますが、愛妾として連れて行かれそうになったところにゼンが現れ引き止めます。ゼンの正体はクラリネス王国の第二王子でした。ゼンは万が一の為に毒に慣らされており、今回の愚行を公にしない代わりに二度と白雪に関わらないことをラジ王子に約束させます。
白雪はゼンを巻き込んだことを反省しますが、ゼンは森の奥で出会えたことや今回の件でお互いを守り合えたことを運命だと言い、今後も立場を気にしないつながりを望みます。
白雪はゼンの国で自分が望んで立つ道を見つける
ネタバレです。
白雪は客人としてではなく自分の力で入城を果たすため「宮廷薬剤師」になることを決意します。採用試験ために改めて薬事の勉強をしようと単身で街外の山へ入り薬草を集める白雪を、巳早という一人の男が誘拐します。巳早の目的は一国の王子でさえ手に入らなかった珍しい赤髪の白雪を、金持ちの物好きへ売り払うことでした。
白雪は自力で脱出を試みますが、山に慣れた巳早にすぐ捕まってしまいます。巳早に脅される白雪を助けたのは、城を抜け出してきたゼンです。執務続きで忙しいにも関わらず、白雪の身を案じたゼンは山中まで迎えに来てくれました。
巳早のふもとの役人に引き渡し、ゼンは白雪に「自分で行くと決めた場所」について尋ねます。白雪はそれがクラリネスに来ることを決めた理由であり、「この国でゼンがどんな風に生きているのかを見られる場所」だと答えます。ゼンもまた、その場所にいる白雪を見られることを望み二人の仲はさらに深まります。
宮廷薬剤師を目指す間も白雪は時折城へゼンを訪ねますが、それを喜ばしく思わないハルカ侯爵に圧力をかけられます。ゼンによってこの件も助けられますが、白雪は改めて己の力で城門をくぐれるようになることを強く決意し、ゼンの味方として力になりたいと願います。
「赤髪の白雪姫」1巻の感想
白雪とゼンのとてもピュアな関係にドキドキします。お互いにまだ恋心に気づいていませんが、既に相思相愛ぶりを深く感じさせます。世界観もそこまで現実離れしたものではないので、ファンタジーといえど溶け込みやすいのもポイントです。ゆったりとしたラブストーリーが好きな方には特にオススメの作品です。
1巻では白雪が少しでもゼンの近くにいられるようになろうと奮闘します。白雪は無事に宮廷薬剤師になることが出来るのでしょうか。また、「友達」としてですら様々な障害が2人を襲う中で、今後の関係はどのように発展するのでしょうか。
また、ゼンは第二王子であるため、第一王子についても気になります。今後増えてくるであろう登場人物と、白雪とゼンがその人たちとどのように関わっていくのかが楽しみです。
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