人々を苦しめる魔人たちを退治するという王道の世界観ながら、独自の細かい設定や魅力あふれる武器などの、奥深い趣のある冒険漫画です。
敵味方含めて、登場するキャラクターすべてが躍動感にあふれて描かれているので、作品の世界に入り込んで楽しめます。
「冒険王ビィト」のあらすじ
舞台は、突如現れた「ヴァンデル」と称される魔人たちが、長年の間、人間の国々を蹂躙している世界です。人々はその恐ろしい日々を「暗黒の世紀」と呼んでいます。
その魔人たちを退治するヴァンデルバスターに憧れるビィトは、両親がなく、幼なじみのポアラの家で大事に育てられている元気な少年です。里に雇われている最強の5人のバスター集団・ゼノン戦士団に入るため、ビィトはバスター契約を結んでしまいます。
ゼノンを始め団員は未熟なビィトの入団を認めませんが、戦い方をアドバイスするなど目をかけているようです。ビィトもそんな5人の、人々を守る正義に憧れ、親愛の気持ちを持っています。
そんな折、「惨劇の王者」と恐れられる強力な魔人ベルトーゼが里に襲いかかります。迎え撃つゼノンたち5人は、それぞれが「才牙」という最強の武器を扱い、魔人と互角以上の戦いを繰り広げます。
その戦いを見ていたビィトの存在に気付いた劣勢のベルトーゼが、ビィトを捕らえて命を奪うような攻撃を与えました。気を取られ陣形を崩した5人は、ベルトーゼの容赦ない攻撃に瀕死の状態になりながらも身を隠します。
そして、虫の息のビィトを助けるため、5人は自分の残りの生命力を才牙に込めてビィトの体に受け渡し、衝撃の事実を打ち明けます。なんと、ゼノンはビィトの実の兄だったのです。その後、別れを告げた5人は自分の身を挺し、ベルトーゼを消し去りました。
目が覚めたビィトは、暗黒の世紀を終わらせることを強く誓います。5人の意志と才牙を受け継いだビィトの、最強のバスターを目指す冒険がこれから始まるのです。
「冒険王ビィト」のネタバレ
それから3年後、強くなるために修行の旅に出たビィトが里に帰ってきました。その頃、バスターとして活躍するようになったポアラが、魔人ムガインを倒すために城に乗り込みます。しかしムガインの策略にはまり窮地に陥るポアラ。絶体絶命の刃が振り下ろされようとしたとき、ビィトが助けに現れるのでした。
落ち着き払うビィトはポアラとともに手下の魔物をなぎ払い、最後にはうろたえながら攻撃するムガインを、ゼノン戦士団から譲り受けたうちのひとつ、槍の才牙で一刀両断にします。あまりの強さに驚くポアラに、ビィトは改めて、暗黒の世紀を終わらせることを誓います。
里を平和にしたビィトはすぐに、魔人たちを討伐するための旅に出ようとし、反対するポアラとすれ違うままに里の門を出ます。そこに待ちかまえていたのは手下を喰って再生したムガインでした。
戦いが始まりますが、油断したビィトは身動きを封じられ、才牙を出すこともできなくなりました。その窮地を今度はポアラが助けに駆けつけます。拘束をとかれたビィトは、盾の才牙でムガインを粉々に粉砕するのでした。
無鉄砲が心配であると同時に、正義を信じさせてくれるビィトとともにいたいポアラは、旅について行くことにします。「ビィト戦士団」として、2人は長く険しい冒険への第一歩を踏み出すのです。
「冒険王ビィト」の感想
読んでいて、ただ純粋にワクワク・ドキドキできる作品です。才牙と呼ばれる最強の武器も、どれもカッコよくて、それだけでも胸が高鳴ります。
バスターとしての強さが数値化されているので、これから強い敵と戦うたびにレベルも上がると思いますが、今のままでも十分強いビィトが、いったいどこまで強くなるのか想像がつきません。
新たな仲間との出会いもあるはずですので、どんな冒険が続いていくのか、とても楽しみです。
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