あなたはもし「神の声」が聞けるなら、どのようなことを尋ねたいですか?
そしてもしもあなたに重大な天命が課せられていたことを知ったらどうしますか?
「暁のヨナ」3巻では神官によって自身の天命を告げられたヨナが、自分のたった一つの願いを叶えるために新たな目的を掲げ波乱の旅を再開します。
「暁のヨナ」3巻のあらすじ
ユンの治療のおかげでハクはすっかり回復し、ヨナは神官であるイクスから「神の声」と緋龍と四龍に纏わる「建国神話」を聞きます。ヨナの願いはハクと共にただ生きるということだけでしたが、ヨナが生きるということは高華国の大地を揺るがす嵐を起こすことだとイクスに教えられます。
命を狙われるヨナは独りでは生きていけず、そんなヨナを支えるハクがこのままでは先に死んでしまうことをイクスに伝えられます。ヨナは味方の必要性を説かれ、今でもこの国でひっそりと龍の血を受け継いで生きているという四龍の戦士を探すように勧められます。
ヨナは伝説の龍達の力を私事で借りることに不安を覚えますが、イクスはこれまで何度も命の危機に陥ったヨナが無事に生き延びてここまで辿り着いた数々の奇跡を天の導きであると言います。そして四龍を集めることが出来たなら、それはもう私事などではなく天命であると諭します。
また、イクスはこれまでずっと自分の世話をしてくれていたユンもヨナたちの旅に連れて行って欲しいと願います。ユンは生活力のないイクスを心配して反対しますが、イクスが世界を見てこいと命じるのであればこれが自身の天命なのだと涙ながらの別れを告げ、ヨナとハクと共に旅立ちます。
天命に従い四龍探しの旅が始まる
ネタバレです。ヨナたちはまず四龍の中で唯一居場所が特定されている者を訪ねるため、どこの部族にも属さない国境近くの霧深き幻の里を目指します。
また、ヨナは前回火の部族に襲われた際に何も反撃できなかった己を悔やみ、ハクに護身用のための剣術を習いたいと願います。ハクは剣こそ与えませんでしたが、決してヨナに武器を触らせなかったイル王の命に背き、ヨナに弓を与えます。不満に思うヨナにハクはイル王が武器を嫌った理由を再度考えるように諭します。
道中で弓の練習を重ね、弓を引くということは命を奪い、奪われるということなのだとヨナは改めて痛感します。それでもヨナはハクを守るために誰かを犠牲にしてでも武器を手に取りたい心情を明かします。
幻の里に近づいたヨナたちはその排他的な一族により命を狙われますが、彼らはヨナの赤髪を目にした途端に態度を改めます。白龍の里へ手厚く案内され、初代白龍も赤髪の主に仕えていたという話を聞きます。
右手に宿るという白龍の力は神話の時代から子孫へと代々たった一人に受け継がれてきました。今その力を持つのは、正義感と使命感に溢れたキジャという見目麗しい20歳の男性です。
キジャは赤髪のヨナの姿を見るなり、白龍の力を宿した右手が反応し全身の血が沸騰して逆流するような感覚を覚え、自身が求め続けた主であることを認知します。キジャは無条件でヨナに力を貸すことを明言し、旅の仲間となります。四龍の力を持つ者の気配が分かるというキジャを頼りに、ヨナたちは次の龍を探しに出発します。
「暁のヨナ」3巻の感想
3巻目で物語は大きな境目を迎えます。今後は四龍探しがメインになりファンタジー色が濃くなっていきます。ファンタジー好きにはたまらない展開です。
未だ謎に包まれているユホンについて、「神官を弾圧した」ということが今回明らかになりました。穏やかではない事件でイル王は嫌いそうなことです。2人の間に本当は何があったのかはまだ分かりませんが、ユホンが企んでいたことが他にもありそうです。
また、今巻で旅の仲間が2人も増えました。ユンは戦闘能力こそありませんが医術や生活力に長け、自称天才美少年です。イクスが大好きなユンをわざわざ危険な旅となるヨナたちに同行させたのですから、ユンにも何か大事な天命があるのかもしれません。キジャは白龍が宿るという右手を使って、今後強大な戦力となってくれそうです。
一番気になるのは、ヨナと「建国神話」の緋龍との関係です。なぜこのタイミングで「建国神話」の四龍を集めるのでしょうか。なぜ白龍はヨナを見た途端に主と認識したのでしょうか。今後明かされるであろう様々な謎や伏線がとても楽しみです。
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