愛する人に父を殺され、城を追われる身となったヨナは唯一の味方であるハクを頼りに生きる道を模索します。
「暁のヨナ」2巻では今生きることで精一杯のヨナたちに新たな試練が襲いかかります。
「暁のヨナ」2巻のあらすじ
ハクとヨナが風牙の都に着いた頃、高華王国の王都「空都」の緋龍城では五部族召集が行われていました。五部族とは火・水・風・地の部族と王族「空」のことであり、この五部族を中心として政治が行われます。各部族の長は「将軍」と呼ばれ、王と部族を守護する最強の戦士です。
五部族の協議の場では行方不明のハクに国王崩御の疑いがかけられており、さらに行方不明のヨナを除いてただ一人王家の血を引くスウォンが次期新王として名乗りをあげていました。他の部族長がスウォンの新王即位を認める中、ハクの代理で出席した風の部族長老のムンドクだけはスウォンを認めませんでした。
ヨナは風牙の都で少しずつ笑顔を取り戻します。王都から早々に帰還したムンドクはヨナの姿を見るなり国王崩御についてのいきさつ全てを悟り、涙ながらの再会を果たします。
五部族全ての承認がなければ新王になれないスウォンは、自身と癒着している火の部族を使って風の部族に圧力をかけます。火の部族を守るため、ハクはスウォンを新王として認めることで国王殺害の罪を自ら被り、火の部族長としての将軍の座を捨て「お尋ね者」となります。
ヨナも自分を家族のように迎えてくれた火の部族にこれ以上の迷惑をかけないためにハクと共に旅に出る決意を固めます。
ヨナとハクの波乱の旅が幕を開ける
ネタバレです。今後の道が定まらないヨナたちにムンドクは風の地のどこかにいるという「神官」を探すように助言します。神官はユホンに弾圧されて城を追い出されるまで、古来より高華国の未来を見据えて国の政に深く関わっていたといいます。
神官を探す旅を始めたヨナたちに、早くも火の部族カン・テジュンからの追手がかかります。カン・テジュンは火の部族長の息子で、昔から玉座を得るためにヨナのことを狙っていました。今回も風牙の都付近でのヨナの目撃情報を得て、ハクを殺しヨナを捕らえようと兵を率います。
ハクは大勢の兵相手に稲妻の如き槍技で敵を次々になぎ払いますが、ヨナを庇い毒矢を受けてしまいます。ヨナはハクの足枷になる自分を責め、自身が出来る事とすべき事を自分に問いただします。ハクによって隠されていた場所から勇気を振り絞って飛び出し、ハクを背後から再び毒矢で狙っていた弓兵を崖から突き落とします。
さらにカン・テジュンの前に身を現し話をしたヨナは、国王崩御のいきさつを全て知りながらも風の部族に圧力をかけ、ハクを殺そうとするテジュンをひどく叱咤します。その時テジュンはヨナの燃えるような瞳から目が逸らせず、紅い髪が己を焼き尽くす炎に見え熱さを覚える程に心から畏怖を感じます。
毒が回り兵に崖から落とされようとするハクをヨナが助けようとしますが、二人とも奈落へ落ちてしまいます。落ちたらまず助からない高さで、テジュンは間接的にヨナを殺してしまった罪悪感と悲しみに暮れ心を病みます。
しかし、ヨナとハクは生きていました。ハクは崖から落下する際もヨナを庇い瀕死の重傷でしたが、美少年ユンによって治療され命を救われたのです。ヨナたちが落下し匿われた場所は神官イクスの家でした。
「暁のヨナ」2巻の感想
何を敵にまわしてでも、どんな状況でもヨナを守るハクがとてもカッコイイです。そんなハクのヨナに対する熱い想いと、憎まれ口をたたきながらもしっかり守り抜くエピソードがギュッとつまった2巻目です。1巻目以上にハクの言動に胸キュンしてしまう女性も多いのではないでしょうか。
また、これまで周囲は敵ばかりでしたが、風の部族は皆優しい人ばかりで読んでいて心が温かくなる回でもありました。少女漫画には中々登場しないような長老キャラのムンドクにもとても好感が持てますし、風の部族とは今後もどこかで共闘し助け合える機会がありそうです。
さらに一番の見所はヨナの成長です。城で暮らしていた頃は幼く無知でか弱いただの少女でしたが、ハクとの旅で精神面でも大きな成長を見せます。今巻のテジュンを叱咤するシーンは必見です。
奇跡的に命を取り留め神官を見つけることの出来たヨナたちに、次はどのような運命が待ち受けるのでしょうか。次巻も楽しみです。
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