あなたの近くにいる人が普通の人と違ったとしたらどう思うでしょうか?そこにあるのは恐怖でしょうか。それとも憧れでしょうか。
未知の者に触れた時に人はどのような行動をとるのでしょうか?人と異なる者との物語「極黒のブリュンヒルデ」は岡本倫さんのSF作です。
極黒のブリュンヒルデのあらすじ
村上良太はNASAを目指す頭の良い高校生です。そんな彼は幼い頃のトラウマがありました。幼い頃クロネコと呼ばれる女の子と遊んでいました。クロネコは宇宙人の存在を肯定的に捉えその事でいじめられたりしています。
彼女には腕の下にホクロがありました。その二人がダムの上を歩いている時に良太が足を滑らせ落ちようとした時にクロネコの手を掴んだ際に二人とも落ちてしまい、良太は傷を負ったものの助かりました。しかしクロネコは行方不明となりました。その事で良太は後悔してトラウマとなり高校生となっても女子とはうまくコミュニケーションがとれていないのでした。
ある日転校生黒羽寧子という美少女が転向してきます。良太はその姿を見て驚きます。あの幼い時にあったクロネコにそっくりだったからです。彼女に詰め寄る良太。しかし彼女は何も答えません。そんな葛藤の中良太は古い天文台にいると寧子がやってくる。
なぜここにと問いただす良太を無視するように「ひとつ伝えたい事がある」という。彼女が言うには最終バスに乗り遅れずに乗らないと大変な事になると、しかしその事が信じられる訳もなくバスは出てしまいます。何事も起こるような雰囲気もなく帰路につく良太の前で突然崖が崩れて岩が彼を襲います。その時寧子が突然現れ岩を恐るべき力ではねのけます。
唖然とする良太に注意をする寧子。そして彼は彼女に何者かと聞きます。彼女は「魔法使いよ」と答えるのです。一体彼女は何者なのでしょうか?
運命の出会いと過酷な運命に挑む
ネタバレです。良太はクロネコとの出来事がトラウマとなりうまく人とのコミュニケーションがとれないでいます。その時に現れた寧子という謎の女性。彼女は一般的な学習(九九など)は全く出来ないのですが、謎の力を秘めています。
良太を腕相撲であっさりと倒したり、謎の力で岩を跳ね除けるなど。魔法使いであると告げた彼女に良太はどうやってなったのか聞くと、手術と言い首の後ろのボタンを見せます。しかし彼女にはクロネコにあるホクロがなかったのです。そして彼女は告げます。人に知られると私は殺されると。
その事を上手く理解できない良太は悩み続けます。彼女の力がまた発揮されるのは水泳の時間です。彼女は全く泳げないのですが、潜水の練習の時に排水溝のふたが外れ生徒達が危険にさらされるとプール淵を壊し水を抜きます。
しかし彼女が突然の欠席をします。心配する良太ですが、全く手がかりはありません。彼女に渡し物をする為に彼女の家に向かう途中で自衛隊の装甲車が通ります。もしかして研究所を逃げ出した彼女を捕まえに来たのではと、推測するも彼は彼女の住所を頼りに彼女の家を目指します。
そこには捕えられていない寧子がいました。ほっとするのも束の間彼女は構わないでと伝えます。そして彼女を捜し建物を歩く良太は寝たきりの少女を発見します。彼女は実験の後遺症でもう動けないのです。彼女がいくつかの予言をしていたのでした。謎が多い組織と寧子。果たして彼女はクロネコではないのでしょうか?
感想
この漫画は一度読んで理解できなかったことが二回・三回読むと理解できる事もあります。また暗めの絵の描写がより一層謎を引き立ててくれます。単なるホラーっぽい漫画と思わせ、ギャグっぽい所もあります。
また良太と寧子との恋愛感情に似た描写もありいろいろな要素で楽しめます。物語が進むにつれ残酷な描写もあります。逃げ出した少女を処分する描写では寧子にもあった後ろのボタンを抜くと蒸発してしまいます。その描写もあっさりしている事が余計ホラー感覚に陥ります。
更に最後になるにつれて新しい敵が現れます。そして寝たきりの美少女も死を迎えようとしています。その敵と死を覚悟して闘う寧子。また良太を巻き込みたくないと思う彼女の気持ちが良太には辛く感じます。そしてその戦いの中でクロネコと寧子が同じ人物だと確認がとれるのですが、彼女は無残にも切り裂かれます。
ここで一巻が終わるのですがこの続きが大変気になります。一つが解決しても新しい謎が出て来る新しい形です。このまま展開が変わるのかそれとも寧子は生きているという奇跡があるのか次回以降が大変気になります。
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