ユーリと共にヴェネツィアにたどり着いたアルテ。画家としての仕事に加え、ユーリの姪の家庭教師という仕事が待ち受けています。
レオの工房を離れ、自分の力で異国生活を送ることになったアルテに待ち受けているものとは・・・。
「アルテ」5巻のあらすじ
長い船旅の末にたどり着いたヴェネツィアの港。服装も髪の色も目の色も、それぞれ違う人種が入り乱れた港の光景にアルテは目を丸くします。活気づいた商人たちの様子は、アルテの心を明るくしてくれるのでした。
屋敷へと案内されたアルテ。ダフネと名乗るお手伝いさんが荷ほどきを手伝うためにやってきます。使用人として暮らしているダフネに対しても、アルテは友人のような態度で接します。貴族社会では珍しい言動に、ダフネは驚くのでした。
ユーリの紹介で、姪のカタリーナと、その母ソフィアとの初めての面会。そこには絶世の美女と母の陰に恥ずかしそうに隠れる少女が居たのでした。
「アルテ」5巻のネタバレ
母の背中で恥ずかしそうにしていたカタリーナですが、一度母の元を離れ自室に戻ると態度を一変します。アルテには興味が無いと言い放ち、昼寝をしてしまうのでした。
カタリーナに礼儀作法を教えるためにやってきたユーリは、道中ヴェネツィア式の礼儀作法を叩き込んでおいたおかげで、スパレッティー家に認めてもらえたアルテ。
しかし、両親の居ないところでのカタリーナは、手に負えない頑固な子供でした。アルテの話など一切聞かず、馬鹿にしたような態度ばかり取ります。礼儀作法は身についているけれど、それを表に出したくないというカタリーナの心情を理解できないアルテです。
カタリーナと仲良くなることが先決と思ったアルテは、カタリーナと遊ぶ時間を作ります。
徐々に心を開き始めたカタリーナには、なにか秘密があることを知ったアルテ。ある夜、カタリーナの部屋に明かりが灯っているのを見たアルテは、カタリーナの部屋を訪れます。そこには、たくさんの料理のレシピがあったのでした。
貴族社会では、料理は使用人がするもの。じぶんの趣味を両親に知れてしまうことを恐れたカタリーナですが、アルテが両親に話すことはありませんでした。好きなものを取り上げるために家庭教師になったわけではないと言うアルテに、カタリーナは信頼を寄せるようになるのでした。
貴族と平民との格差を嫌うカタリーナの思いに、より一層尽くすことを決意したアルテです。
感想
遂にヴェネツィアにたどり着きましたね。見たこともない賑やかな港は、アルテの目には輝いて見えたようです。希望に満ちたアルテの前に現れた、少女カタリーナ。
頑ななカタリーナに、持ち前の明るさで心を開いていくアルテの姿は、読み手にも元気を与えてくれますね。
ただの我儘なお嬢様かと思われたカタリーナも、幼いながらに貴族社会と平民社会との格差に反発する子供でしたね。やり方はどうあれ、しっかりしたものの考え方をするカタリーナと、家庭教師アルテの気持ちは、次第に近づいてきっといい関係になることでしょう。
カタリーナの心を開くためにヴェネツィアまでアルテを連れてきたユーリの気持ちも、よくわかりますね。みんな、カタリーナが大好きな様子が微笑ましいです。
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