初仕事を終えたアルテ。画家としての修業は厳しいものの、やりがいを感じています。ヴェロニカの生き様から、女が世間に出て働くことの難しさと信念を感じ取るのでした。
ウベルティーノとレオの間に入り、なんとか関係修復と仕事内容の変更に自ら動き出すアルテです。
「アルテ」3巻のあらすじ
ウベルティーノになめられないため、ヴェロニカの元を訪ね作法を学ぶアルテ。ヴェロニカは、強い姿勢で自信をもって対峙するよう進言します。その甲斐あって、ウベルティーノは態度を軟化させ、アルテを迎え入れるのでした。
自分にとって絵は仕事をする上で譲渡に使うものであって、絵には全く興味が無いと言うウベルティーノ。しかし、それを聞いたアルテは、そういう人間に満足してもらえる仕事をしたいと話します。アルテの態度に好感を持ったウベルティーノでした。
「アルテ」3巻のネタバレ
帰宅し、交渉が成立したことをレオに報告するアルテ。その手には、抱えきれないほどの食材があります。それらはウベルティーノが渡してくれたものでした。
仕上がった作品を引き取りに来たウベルティーノ。知り合ったころから険悪なウベルティーノとレオですが、それは互いを心配しあう故のことだとアルテは思うのでした。
ある日、画家の組合員の一人の葬儀が執り行われました。組合の組織力は高く、そこで女であるアルテがレオの工房に弟子入りしたことが話題となります。快く思わない親方衆が殆どで、画家修業を続けるために条件を出されます。
仕事開始までの10日間、アルテはひたすらフレスコ画の練習を始めます。アルテが弟子を辞めたいと言い出さない限り、責任を持って最後まで付き合うと言ってくれたレオのためにも、懸命に取り組むアルテです。
新築の宮殿の一角を、組合員の共同製作で仕上げることになったのです。仕事は辛く厳しく、時には物陰で吐いてしまうほど体力を奪われるほどでしたが、持ち前の負けん気と明るさで、多くの職人の中で奮闘するアルテ。
その姿は、冷たい視線を送っていた同業の職人たちの心を次第に溶かしていくのでした。
宮殿の工事の状況を見に来たユーリ。素晴らしい装飾の中、ひとつの絵に目を留めます。ユーリが興味を抱いた絵こそ、アルテの描いたものだったのです。
「アルテ」3巻の感想
日に日に強く逞しく成長していくアルテ。女が生きにくい社会の中で、自分の夢に向かい、辛い状況にも笑顔を絶やさない姿は目を見張ります。努力は人の心を変えていくのですね。いつしか、アルテを目の敵にしていた人間たちも、次第に受け入れてくれるようになっていますね。
男社会で女が張り合って生きていくには、強さと優しさと、何より血の滲む努力が必要なんですね。でも、そんなアルテの努力を周りはきちんと見てくれています。キラキラしたアルテがとても眩しいですね。
最初はアルテを弟子に迎えていいものか迷っていたレオも、ひたむきで懸命に自分についてくるアルテが可愛くて仕方ない様子ですね。師弟という関係のままで終わるのか、いつかアルテの恋が実るのか、先が楽しみです。
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