グルメ漫画ブームで巷にはたくさんのグルメ漫画があふれていますが、この「ホクサイと飯さえあれば」は、大学進学で一人暮らしの少女が主人公の、日常まったり系グルメ漫画です。
北千住を舞台に、日々のご飯をいかに美味しく食べるかに情熱を燃やす美大生の日常が、本当に美味しそうな食事描写と共に描かれています。
高級な料理こそありませんが、美味しいものが大好きな少女の作るサンドイッチやミートボールスパゲティ、牛すじカレーなどなど、まさに垂涎もの。
作り方のレシピも書いてくれているので、美味しいものが大好き、グルメ漫画大好き、さらには読むと自分も作ってみたくなる、といった方に読んでみていただきたい作品です。
「ホクサイと飯さえあれば」1巻のあらすじ
山田文子、通称ブンは、美大進学のために北千住で一人暮らしを始めた18歳の少女です。相棒はうさぎのぬいぐるみのホクサイ。一人暮らしに胸を高鳴らせる彼女がまず作ったのは、ご飯です。引っ越し屋が遅れたため、炊飯器のない彼女は、空き缶でご飯を炊きます。
北千住の商店街で買った激安メンチカツも温め、お総菜のきんぴらゴボウも用意して、彼女は大喜びで新居飯を食べ始めます。
そして始まった新生活、ブンは商店街に食材と調理器具を買いに出かけます。そこで彼女は、明るく口達者な少女がパンの耳を注文するのに出くわします。一緒に食べないかと誘われますが、思わず断ってしまいます。後悔しながら、ブンは河原で商店街で買ったサンドイッチを手作りマヨネーズでアレンジしようとします。
そこに先ほどの少女、有川絢子、通称ジュンが現われ、落としそうになったマヨネーズを拾ってくれます。絢子と一緒にサンドイッチを食べ、友だちになった二人は同じ大学である事が判明し、一緒に美味しいものを食べる仲になるのでした。
その後も、いきなり家におしかけた少年、凪とミートボールスパゲティを食べ、ジュンとパフェを食べ、炊飯器で作る牛すじカレーを堪能し、とブンは次々と美味しいものを作り、平らげていきます。その過程で出会う個性的な登場人物の出会いも、話のアクセントになっていきます。
かといって、ブンの信条は人と食べるご飯は美味しいというスタンスなわけでもありません。彼女は叫びます。
「本当に食べたいものは1人で食べた方が絶対に美味しいのですよっ!!」
1人でも、他の人と一緒でも、美味しいものを作って美味しく食べる事が出来る、ブンは真の食道楽といえましょう。
「ホクサイと飯さえあれば」1巻のネタバレ
ネタバレです。あとがきで、ブンは8年後に漫画家になり、それは既に出版されている「ホクサイと飯」に描かれているそうです。
しかし、「ホクサイと飯」を読んでいなくても、大丈夫です。美味しいご飯を作り、自分の進路に悩むブンが成長していく様子に、共感したり、自分も美味しいものが食べたくなったり、そういった楽しみのある物語です。
「ホクサイと飯さえあれば」1巻のまとめ
字で書き起こすと、本当にブンがご飯を食べているだけに見えますが、ご飯を前にした目の輝きや、大きく口を開けて食べ物を頬張る様子など、こっちまでつられてしまうような食事描写なので、実際ご覧になっていただき、その魅力を知ってもらいたい漫画です。
また、北千住の川辺の様子や、近所の空き地などの風景描写も、ノスタルジックな雰囲気で素敵です。
大きな事件も無く、穏やかに小さな出会いを積み重ねつつ進んでいく、ブンの日常と日々の食事に不思議と引き込まれ、読んでいる方も美味しいご飯が食べたくなってしまいます。味のある登場人物と、美味しいご飯に、読むたびに癒やされたり励まされたり、元気をもらえるような良作です。
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