貴族としての生活を捨て、画家として歩む道を選んだアルテ。出会う人々は、自分の信念を持ち、確固たる自信に満ちた人ばかりです。そんな人々に触発されながら、初めての恋を体験するアルテに待ち受けるものとは・・・。
アルテの厳しいながらも希望に満ちた日々が始まります。
「アルテ」2巻のあらすじ
ヴェロニカは、恋に落ちる恐ろしさをアルテに伝えます。ヴェロニカと同じように、高級娼婦として過ごしてきた一人の女性の姿を、敢えてアルテに見せました。
そこには、恋に溺れたことによって、全てを無くし、ボロボロの老婆のようになった姿の女性の姿があったのです。女がこの世界で夢を叶えようとするならば、恋に溺れてはいけないと諭すのでした。
仕事でヴェロニカの元を訪れたアルテですが、ヴェロニカに会うため何日も待ち続ける男性がいることに気付きます。高級娼婦のヴェロニカの仕事については解っているものの、男性を苦しめる駆け引きが仕事だということに理解ができないアルテ。
ヴェロニカの笑顔が、とても恐ろしく見えたのでした。
「アルテ」2巻のネタバレ
葛藤の中、ヴェロニカの肖像画に取り組むアルテですが、その身の入らない仕事ぶりに不満を持つレオ。このままだと解雇するというレオに、ヴェロニカはなんとか取りなします。
しかし、どうしてもヴェロニカのしていることが理解できないアルテですが、奥にいろいろなものを抱えた笑顔を死ぬまで続けるつもりだと言われ、その強さに圧倒されるのでした。
彼女の生き方そのものを尊敬していた自分が、目の前のことしか見えていなかったことに気付いたアルテは、また一歩前へ踏み出すことができたのでした
町で久しぶりにアルテと再会したアンジェロ。女性は、か弱く守ってあげなければいけないと思っていたアンジェロにとって、明るく強く健気なアルテは、とても眩しく見えました。
アンジェロの工房で彫刻のスケッチに参加したくても女だからという理由で参加させてもらえないアルテの力になりたいと手を貸そうとしますが、なかなかうまくいきません。アルテは、工房の主人から力仕事を押し付けられますが、女性でも頑張ればできることを見せつけます。
こうしてレオの工房以外の工房からも、少しずつアルテは受け入れられていくのでした。
ある日、アルテは縫製工場で働くダーチャと知り合います。
ダーチャもまた、女性だからということで不当に扱われる労働者でしたが、アルテに影響され、自分の道を切り開いていくのでした。
「アルテ」2巻の感想
アルテの前向きで負けず嫌いな面が、不当な扱いを受ける女性たちを奮い立たせる様がとても気持ちいいですね。
女だからというだけで不平等な扱いが当然だった時代に「悔しいから」という正当な理由で立ち向かうアルテの行動は、胸のすく思いです。不当なことを不当なまま終わらせない生き様は、とても小気味いいですね。
彼女の周りの人間たちが、少しずつ対人間として接してくれるようになってきたのは、アルテの人柄なんでしょうね。
立ち向かう勇気、自分を奮い立たせる力、そういったものがアルテから伝わってきます。
一方、自分の為すべきことに信念を持つヴェロニカ。女性が生き抜く芯の強さが伝わります。男性社会における女性の逞しさがとても素敵です。
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