誰しも一度は日記を書いたことがあるのではないでしょうか。もし、あなたが書いていた日記が突如過去を記録するものではなく未来を告げるものとなったらどうしますか?
読むも読まないも自由ですが、それを利用すればきっと様々なメリットを得ることができるでしょう。しかし行き過ぎたメリットには必ず相応のデメリットが付きまとうものです。
主人公が未来を知るメリットを手に入れ、命の危機のデメリットに翻弄されるサバイバルサスペンス「未来日記」1巻を紹介します。
「未来日記」1巻のあらすじ
主人公は携帯に日記をつけることが趣味の天野雪輝です。雪輝の日記は目的の無い「無差別日記」で、彼が見た全ての「おきた事」が「時間」と「場所」と共に日記として書きとめられています。
中学生の雪輝は常に傍観者でいることを良しとし、友達と呼べるのは彼の空想世界に存在する時空王デウスとその小間使いムルムルだけです。全ての時と空間を管理する「神」であるデウスは「面白いゲーム」と称し、夢も目的も無い雪輝に「未来」を与えます。
デウスの企みにより、雪輝が携帯につけていた日記は常に90日分の未来が書かれた「未来日記」になります。それはあくまで雪輝が書くはずだった文章で、雪輝がこれから見ることを無差別に記した未来を告げる日記でした。
万能に思えた未来日記にもデメリットがありました。それは日記の媒体である携帯を守り通さねばならない事です。「未来の記述」を傷つける事は所有者の「未来」を傷つける事と同義であり、日記を壊し未来を失った時点でその日記の所有者は命を失ってしまいます。
神の座をかけたサバイバルゲームが幕を開ける
デウスが「未来日記」を与えたのは雪輝だけではありませんでした。雪輝は1stであり、12thまでの全12人の日記所有者の中から生き残った一人だけが時空王デウスの後継者となるサバイバルゲームが始まります。
最初に雪輝を襲ったのは「殺人日記」所有者である3rd火山高夫です。火山は雪輝の通う桜見中学校の教師であり、教え子である雪輝の変化から未来日記所有者であることを推測し雪輝の命を狙います。未来日記にDEAD ENDのフラグが立った雪輝を救ったのは2nd我妻由乃です。
由乃は雪輝の未来を10分刻みで把握する「雪輝日記」所有者です。由乃は成績優秀かつ美人という学校中の憧れの的ですが、雪輝の異常なストーカーでした。由乃は未来日記を冷静に分析しつつ敵から逃走し、雪輝の特技であるダーツを使って3rdの未来日記の媒体である携帯を破壊する策を提案します。
3rdを返り討ちにした後日、雪輝は9th雨流みねねにも命を狙われます。テロリストであるみねねは学校中に爆弾を仕掛け、全校生徒と教師達を人質に取ります。雪輝の未来日記にDEAD ENDフラグが立ち、さらに敵の策略により由乃とも引き裂かれて絶体絶命のピンチとなった雪輝を4th来須圭悟が助けます。
刑事である来須は90日先までのあらゆる事件を予知する「捜査日記」所有者でした。9thみねねは「逃亡日記」所有者であったため、捕らえることは出来ませんでしたが雪輝と由乃、そして来須の3人は共同戦線「未来同盟」を組むことになります。
ストーカー行為だけでなく簡単に人を「殺す」と言う由乃の言動に雪輝は疑心暗鬼になりますが、由乃は何を犠牲にしてでも雪輝を守ります。さらに自分自身に関する予知が全く含まれない雪輝の「無差別日記」と由乃の「雪輝日記」が合わされば「完全予知」を実現する鍵となるため、雪輝は由乃を利用することを決めます。
「未来日記」1巻の感想
本来ならば主人公である雪輝がヒロインの由乃を守るというのがサバイバルゲームの王道ですが、本作品「未来日記」ではそれが完全に逆なのが面白いです。
才色兼備ながらも「ヤンデレ」といわれるストーカーキャラな由乃もヒロインとして独特で、常に涙目で無力ながらも自分に好意を寄せる由乃をちゃっかり利用する雪輝も主人公としてイレギュラーです。そんな2人の関係がサバイバルゲームを通じてどのように発展していくのか楽しみです。
また、それぞれ内容が違う12種類の未来日記にも興味が惹かれます。1巻では1st雪輝が「無差別日記」、2nd由乃が「雪輝日記」、3rd火山が「殺人日記」、4th来須が「捜査日記」、9thみねねが「逃亡日記」だと判明しました。日記の種類によって相性の良し悪しもありそうです。残る7つの未来日記はどのような内容で、どのような所有者なのでしょうか。
さらに、9thとは再び戦闘になりそうですしサバイバルゲームである以上、他の所有者との戦闘も避けられない中で共同戦線がどう活かされるのか今後の展開が楽しみです。
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