いよいよ天皇杯本戦が始まり、東京クルセイドは現状のベストメンバーで初の公式戦に臨みます。日本サッカー界への殴り込みをかける第一歩です。
しかし、チームが順調に進化する一方、千尋と迅には過去の事件の影が忍び寄っていました。サッカーの描写とともに、登場人物のつながりもますます濃密になっていきます。
「フットボールネーション」3巻のあらすじ
新加入したマリオとイワンがやはり質の高いプレーを見せてくれ、大幅な戦力アップとなった東京クルセイド。練習試合で経験値の浅さが露呈しますが、己の向上心と千尋らの協力で知識を吸収し、フルコートのサッカーにどんどん順応していきます。
そしていよいよ天皇杯の関東リーグが始まりました。初戦の相手は、アマチュアながら東京クルセイドよりも数段上のカテゴリーに属する、企業チームです。千尋をボランチに据えたマリオ、鳥海、野田、イワンのセンターラインが初めて揃った東京クルセイドは、それぞれが持ち味を生かしたプレーを見せながら圧勝します。
観客もこのチームの強さと各選手が持つ華やかな能力に魅力を感じたようですが、やはり一番目を引いたのは別次元のプレーを見せる千尋でした。大会プログラムで千尋のプロフィールを確認する観客は、ジュニアユースの経歴を見て迅とのつながりを感じ取ります。
一方その頃、迅のもとに不穏な電話がかかっていました。なんと、千尋が身代わりで少年院に入る事件で、迅がナイフで刺した男です。男が生きていたことに驚く迅に、当然のように真相をネタに脅迫します。金が目的の男は、サッカー選手としての輝かしい将来にずっとつきまとうつもりのようです。迅は思いがけない事態に途方に暮れるのでした。
「フットボールネーション」3巻の展開
その後、千尋は知り合いの少女から、「ノア」という裏世界のクスリ売人が、千尋を懸賞金を付けてまで捜索していることを知らされます。中学の卒業アルバム写真を使っているようです。
その帰り道、千尋たちは怪しい車に追跡された挙げ句、暴漢に襲撃を受けます。拉致して「ノア」の元へと引き渡そうと考える暴漢の攻撃を返り討ちにし、千尋はその仲間が連絡を取っていた携帯電話を奪い、相手がわかっているかのように「青野」と呼びかけます。
この青野こそ、ナイフの刺傷から生き延びて迅を脅迫していた男であり、千尋に懸賞金をかけた「ノア」の正体でした。千尋は結託をもちかける青野に、事件のときにとどめを刺さなかったことを後悔していると言い放ちます。
この場は事なきを得た千尋ですが、青野は確実に、これからも千尋と迅にまとわりついてくると思われます。
「フットボールネーション」3巻のまとめ
そんなこともありながら、東京クルセイドは2回戦の試合に臨みます。戦う相手はJ1・レッドスターズのユースチームです。サッカーのエリートが集まるユースチームを相手に、東京クルセイドは、一見手も足も出せず攻め込まれているかのようですが、実は想定内のゲーム運びをできています。
そんな中、千尋のショルダーチャージがファウルとされ、セットプレーから1点先取されてしまいます。しかし、ファウルを受けた相手選手はそれがファウルではないことを認識しながら、なにか嫌な違和感を感じていました。また、見る者が見れば、東京クルセイドとレッドスターズユースの選手たちの体形には、明らかな違いがあるようです。
その違いとはなんなのか? そしてそれは試合展開にどう結びついていくのか、次巻での答えが早く知りたくなります。
「フットボールネーション」3巻の感想
天皇杯本戦に入り、千尋達がいよいよ公式戦に出てきました。予想通りというか予想以上のチーム力に、漫画の中の観客と同じように魅了されてしまいます。
また、その技量を生み出しているフィジカルの部分や体の使い方も詳細に描かれていて、サッカー指南書としても面白く読めました。これからチーム力が向上するとともにますます深い理論を教えてくれそうで、ストーリーの展開と同じくらい楽しみです。
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