マンガトレジャー

クラスで目立たないのだけど何か目が離せない人はいます。勉強が出来る訳でもなくスポーツが出来る訳でもない、イケメンでもないそんな人がいます。しかしなぜか気になる存在です。そんな普通にいて人の事が気にしてくれる人の話です。町田くんの世界は地味で目立たない町田くんを中心に描かれています。

町田くんの世界のあらすじ

町田一君は人の良い真面目な生徒です。町田君は5人兄弟の長男で母親は妊娠中の為に兄弟の世話や家事をしています。だからと言って器用なわけではないです。今日も朝から一番下の「けーご」と「しおり」のケンカの仲裁をしたり、３男の「ミツオ」から水を掛けられたり次女のニコの荷物をとってあげたりと朝から大忙しです。さらに母親からはハンバーグを作って欲しいと言われ、料理が出来ないのに必死に作り方を勉強します。

そして学校でもその事だけを考えています。テストが悪かったり、足が遅くても町田君は気にしない様で気にしているようです。そんな時ミツオが手を切ります。大騒ぎするミツオにニコは心配するなと言います。

そして学校では町田君が彫刻刀でケガをしてしまいます。保健室に行った町田君は先生がいないので包帯を探します。大きな音を出して探していると突然カーテンが開き「るせー」と女の子が出てきます。その拍子に傷口が開き血が止まらなくなります。

するとその女の子は自分のハンカチで止血します。猪原というこの女の子は殆んど授業にも出ない不真面目な子です。しかし町田君は感謝し「君がいてくれて本当に良かった」と伝えます。顔を真っ赤にする猪原さん。この二人に新しいストーリーが始まるのでしょうか？

何か気になる町田くんに目が離せない

ネタバレです。町田君はインテリっぽいルックスで勉強が出来ると思われがちで全く出来ません。女子生徒に「ここ教えて」と言われても点数を見て見かけで判断してごめんと言われます。

更に運動ではさっそうと駆け抜けても50ｍ12秒台という女子並の遅さに先生に励まされます。そんな町田君の良さとは人の良い所に気付く所とさりげなく手伝ってあげる事です。レギュラーになった事やミツオが毎日水をやっている事などです。そして猪原さんも殆ど学校にいないのに覚えていました。

その猪原さんと恋物語が展開されていきます。猪原さんは中学でいじめられていて人間不信に陥っていました。そんな彼女の心をほぐしてくれたのが町田君でした。初め保健室で「君がいてくれて本当に良かった」と伝えナンパから助けた時に「僕の大切な人なんです」とジゴロ並の言葉を伝えますが、彼はその事を意識していません。

そんな猪原さんに西野君が告白します。西野君は振られ続けられています。そんな西野君と3人でデートしますが猪原さんは町田君が気になってしょうがないのです。そして正式に断ります。

中間テストも最悪の町田君。追試を受ける町田君は猪原さんに助けを求めますが、なぜか断れます。落ち込む町田君にもう一つ困った事が起きます。けーごが知らないおじさんにお菓子を貰っていると言います。

心配になった彼はそのおじさんの家に行くのですが、そのおじさんは実は親切なおじいさんで子供が好きなのですが、最近の状況では気軽に声もかけられず困っていると町田君はおじいさんの陶芸を見て、陶芸教室を作る提案をします。実は猪原さんは、どう人と向かい合ってよいかを悩んでいました。その事で町田君に素直になれずにいました。そして最後には二人は仲直りをしました。

感想

町田君はどこにでもいそうでいない人のいい人間です。決して怒りもせず、人の良い所を見つけ褒めてくれます。まず彼に癒されているのが家族です。みんな彼が何でも出来るモテる男だと思っているみたいです。（兄弟はそう思っている）しかし現実は難しくそうはいかないようです。しかし猪原さんは自身のいじめられた経験で人との距離感を図り損ねている所に町田君と会い変わっていきます。

町田君は誰に対しても優しい声と態度を向けます。その事が彼女にとっては嬉しかったみたいで、何気ない（誤解されやすい）言葉が嬉しかったみたいです。しかし彼女の態度が変わるのは彼女が友達を失った恐怖から距離をおこうとしたからです。その前に「気にかけて欲しい」といった後に冷たくした猪原さんに「人と仲良くするのが怖い」「ゆっくりいこうよ」と声をかけ距離感を縮めました。

このようなハートフルなストーリーは現代にとても適しています。何かほっとさせる町田君の行動がまだまだ人を安心させてくれそうです。