個性的すぎてジャンル付けに困る漫画ですが、一度好きになればどっぷりとハマってしまう、この「たびしカワラん!!」は、そんな中毒性がある気がします。
一言で説明すると、ダークでスプラッターなラブコメ。ギャグとシリアスの振れ幅が大変大きく、情報量も多いため、読了後は、私は何を読んでしまったんだ…と真顔になってしまうようなそんな物語です。
ダークファンタジー、中性的な女子、変態男子、呪術師、どれか一つでも琴線にふれる単語がある方は、ぜひご一読をおすすめします。
「たびしカワラん!!」1巻のあらすじ
クレイシハラは、呪術師です。仕事は、地獄で怪獣に食べられること。
地獄の魔物の好物は呪術師であり、クレイシハラは極上の血を持つ最高の呪術師のため、彼は再生し続けながら日々食われ続けます。もちろん呪術師とはただ餌になるだけでなく、他者の魂を征服する事が出来る万能な存在なのです。
しかし、地獄でしかその力は使えず、彼は地上では無能で無職のホームレスにすぎません。
そして瓦屋千蔭は26歳独身、仕事は大学の非常勤講師で呪いを専門に研究しています。雨の中2人は出会い、クレイシハラが呪術師と知った瓦屋は彼を自宅に招き話を聞こうとします。
どこかで瓦屋に会ったことがあるような気がする。既視感を抱くクレイシハラでしたが、直後落ちてきた看板に瓦屋が潰されてしまいます。瓦屋はクレイシハラに治されますが、クレイシハラの既視感はますます強くなります。
その後、看板に潰される事故に遭った原因も、体を治したのも自分である、すなわち瓦屋の体が貧乳なのは自分の責任だとクレイシハラは考え、それならば結婚しようと決意します。
瓦屋の魂をぬいぐるみに入れ、プロポーズをしたり紳士的に口説いたり、やりたい放題のクレイシハラですが、瓦屋は意識がないため全く伝わっていません。
クレイシハラは瓦屋と(一方的に)結婚し、瓦屋を追い回しつつ地獄で魔物に食べられるという日々をおくることになります。さらに瓦屋に偏執狂的な愛を抱く大学の教え子、森も現われて、ダークなラブコメはますます盛り上がりを見せます。
「たびしカワラん!!」1巻のネタバレ
ネタバレです。クレイシハラと千蔭は過去に夢で会っていました。殺せと呪う包帯だらけの子供、その呪いが地獄のクレイシハラに堕ち、クレイシハラは爆撃のようなその呪いをはね返すので精一杯でした。
ある日呪いは止みますが、呪い主は瓦屋でした。瓦屋は呪いのことなど知りません。2人は夢で会い、その後地上で再会したのです。
また、クレイシハラは魂を支配することが出来るので、魂を意のままに入れ替えることも可能です。瓦屋の胸が絶壁なので、クレイシハラは男か女か確かめるために自分の魂をぬいぐるみに転移して性別を確かめました。無事女だと確認後、クレイシハラは瓦屋をぬいぐるみに転移させてプロポーズします。
瓦屋に意識はなく、まったく意味のない愛の言葉でしたが、クレイシハラはそれで50%くらい結婚できたとみなします。一方的で伝わらない愛、それが今の2人の関係なのです。
「たびしカワラん!!」1巻のまとめ
独特の世界観と設定、そして濃い登場人物達を、ぜひその目でごらんになって頂きたいです。
千蔭の呪いとは何なのか、そして呪術師とは? クレイシハラの愛は瓦屋に伝わるのか?
シリアスとギャグを行ったり来たりするため、着地点が全く読めません。しかし情報量の多い物語を隅々まで熟読し、斜め上の行動をするクレイシハラ達を見守るうちに、いつの間にかこの漫画が癖になる、そういった不思議なパワーのある作品だと思います。
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