無名の弱小筝曲部存続のため、たったひとりの部員であり部長である倉田は、新入部員勧誘に励み、その甲斐あってかどうにか規定数を満たしました。
しかし、琴とは無縁の生徒あり、ケンカに明け暮れる生徒あり、かと思えば琴の名門のお嬢様ありと、多彩なメンバーに囲まれてしまったのでした。倉田の奮闘ぶりが見所です。
「この音とまれ」2巻のあらすじ
部の存続が辛うじて決まったものの、1か月後には教頭を認めさせるだけの演奏をしなくてはいけません。早速練習を開始した新入部員たちですが、琴に触れたことのない子ばかりで前途多難です。
若干琴に触れた経験のある久遠も、琴の楽譜を見るのは初めてです。そこでさとわは、基礎練習を飛ばし、1か月後の曲練習を始めると言い出します。
とあるイベント会場へ行った部員たち。そこでは、1か月後に弾こうとしている曲の演奏が、鳳月会の小学生たちにより行われることになっていました。たかが子供の演奏とタカをくくっていた部員たちは、その凄まじさに圧倒されるのでした。
「この音とまれ」2巻のネタバレ
小学生たちの演奏した曲目「龍星群」を1か月後の発表曲に決めた筝曲部。翌日から猛特訓が始まるものの、楽譜読みも、弦の位置さえもおぼつかない部員たち。久遠は手作りした段ボールの練習琴を男子新入部員たちに配り、それぞれの自主練習が始まったのでした。
思うように上達しない久遠、サネ、みっつ、光太の4人は、部活後に楽器店を訪ねます。店主のお婆さん仁科は、かつて久遠の祖父と親交があり、その不良だった孫が真剣に琴に取り組む姿に胸を打たれるのでした。
そして、毎晩楽器店の2階で琴を貸してもらい、4人は練習に励むのでした。
ひとりひとりの練習が実を結び始めた頃、全員で演奏を合わせることになりました。しかし、全く他人の音を聞けない4人。
感覚的なものを教えるということがわからないさとわ。
そんな部員たちに、話し合い協力し合おうと、倉田は言うのでした。
ある日、光太から、久遠がかつて起こした事件の顛末を聞いたさとわ。全て久遠を陥れる罠だったことを知ります。琴と真剣に向き合おうとしている久遠を認めていなかった自分に涙するのでした。
本番を明日に控えた夜、仁科は部員たちに「音はもうひとつの言葉」と話します。
その言葉を胸に、筝曲部は全校生徒の前に立つのでした。
感想
悪さばかりしていた不良たちが、真剣に琴に向き合い、そしてどんどん琴に引き込まれていく様子が青春を感じますね。友達を救うためになんとなく入った筝曲部でしたが、個人プレーから団体プレーの素晴らしさを知った感じでしょうか。
ひとりひとりが一歩ずつ確実に努力を積み重ねていく姿はとても輝いています。
さとわも、少しずつ心を開き、打ち解けていっているようですね。鳳月会の跡取りとして、幼いころから厳しい練習を続けてきたさとわにとって、琴の楽しさというものを初めて経験し始めているようです。
楽器店の仁科は、かつての久遠の所業を知っているだけに、感慨深いものがあるようです。亡くなった久遠の祖父の代わりに、これからずっと見守ってくれるのでしょうね。
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