舞台は時瀬高校筝曲部。男子高校生たちが、紆余曲折を乗り越えながら、琴に真剣に取り組んでいくという物語です。
琴といえば、どうしても、女性で「和」のイメージになりがちですが、現代の男子高校生たちが琴とどう向き合っていくのでしょう。
真面目な子がいて、やんちゃな子がいて、それぞれが仲間として成長していく青春ストーリーです。
「この音とまれ!」1巻のあらすじ
入学式。筝曲部部長の倉田は、校内に勧誘チラシを張って回っています。
現在部員は倉田ただひとり。可愛がってもらった先輩たちのためにも、どうしても最低限の5人になるまで新入部員を集めなくてはいけません。
しかし、筝曲部の部室は、倉田をバカにする不良たちの溜まり場と化していました。そこへ現れたのは、中学時代問題を起こして警察沙汰にまでなったことのある新入生、久遠。
溜まっていた不良たちをひと睨みで退散させ、倉田に入部届を突き出します。しかし倉田は本気だとは思っていません。
久遠を快く思っていない上級生の不良たちが、まるで久遠がやったかのように装い、倉田を襲い、筝曲部の部室を破壊します。保健室で目覚めた倉田は、どうしても久遠がやったとは思えず、校長室へ向かうのでした。
「この音とまれ!」1巻のネタバレ
自分への嫌がらせから、筝曲部に迷惑をかけてしまった久遠は、親友の哲生の協力もあり、無事に誤解を解くことが出来ました。先輩たちから託された筝曲部を守りたい倉田と、亡くなった祖父が琴作り職人だった久遠は、改めて新入部員の勧誘をはじめるのでした。
そこへ、ひとりの女子が入部希望してきました。琴の名門鳳月会の一人娘、鳳月さとわでした。さとわは、無名で弱小の筝曲部に入部し、その部を全国1位に押し上げることで自分の力を世に知らしめようとしていたのでした。
そんな野望を持つさとわの言葉に、倉田は、全国大会はひとりの力で行くところではないと言い切るのでした。そんな考えを持ったことのなかったさとわに、その言葉は衝撃だったのでした。
偶然耳にしたさとわの弾く音色に驚愕した久遠、そして久遠の真摯な姿勢を垣間見た倉田とさとわ。その後久遠の仲間である、サネ、みっつ、光太が入部し、念願の存続最低人数を確保することができます。
しかし、筝曲部存続を反対している教頭は、期限付きで納得できる演奏が出来なかったら廃部にすると言ってきます。部存続をかけ、琴の素人たちの猛練習の始まりです。
感想
いかにも不良を絵にかいたような男子高校生たちが、琴というなかなかお目にかかれないような楽器に取り組むあたりがいいですね。それぞれが抱える不安だったりトラウマだったり、そういうものを琴に込め、この先どんどん成長していくのでしょうね。
部長の倉田が、いかにもといった感じのおとなしい真面目な少年。そして真逆の新入生久遠。ふたりの関係も、少しずつ信頼関係が生まれているようですね。
悪い仲間とばかりつるんできた久遠も、琴を通して素直な面を出せるようになってきたようです。
筝曲部には入部しませんでしたが、筝曲部の外から久遠を見守ってくれている親友の哲生の存在も力強さを感じるものでした。
多様なメンバーが揃った筝曲部、待ち受ける出来事とはどんなことなのでしょうね。楽しみです。
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