両想いになった鈴子と津軽だが、津軽は仏蘭西に残り、鈴子は日本へ帰国し2年が過ぎました。日露戦争が集結し、津軽が戻ってくることになりました。
そこに現れたのは鈴子の実祖父秋山。秋山は鈴子を強引に引き取り、婿をもらい跡継ぎを産ませようとします。平賀に協力してもらい、結婚を先延ばしにした矢先、鈴子は決起大会の暴動に巻き込まれた際の怪我により、記憶を失ってしまうのでした。
「明治メランコリア」7巻のあらすじ
病室で目を覚ました鈴子は、自分の記憶が一切ないことに衝撃を受けます。そんな鈴子を、春時は自宅に連れ帰り、今までと同じように下男の佐之次と共に3人での生活を始めることになります。
鈴子を心配し、津軽の母や河内の双子の妹たちも訪れますが、鈴子の記憶は戻ることはありません。津軽のことも覚えていない鈴子は、津軽に会っても春時の後ろに隠れ、春時だけを頼りにするようになります。
そんな鈴子に、つい春時は鈴子が血の繋がりのない妹であることや、愛情を告げてしまいます。かいがいしく自分の世話をしてくれている春時に、鈴子は惹かれていきます。
以前は自分に向けられていた鈴子の笑顔が春時に向けられているのを見た津軽は、鈴子を遠く感じてしまうのでした。
「明治メランコリア」7巻のネタバレ
ある日、道で偶然に鈴子は愛染に会います。しかし何事もなく落とした新聞を拾い上げ自分に手渡す鈴子の態度から記憶を失っていることを愛染は察してしまうのでした。
記憶を取り戻す手がかりを求めに津軽の部屋を訪れた鈴子は、からくり箱を見つけます。
必死でからくりを解こうとする鈴子に、津軽は以前の鈴子を重ねてしまうのでした。
秋山の家に呼び出された鈴子は、津軽と共に向かいます。
そして、亡き父の部屋でからくり箱を見つけます。次々と解いていく鈴子。そしてその中には数々の「たからもの」が出てきます。
それらは子供のころ祖父から父へと与えられたものでした。息子が自分に向けていた愛情を感じた祖父。
そして最後のからくり箱からは、父が母と交わした文が収められていました。
父と母との愛情を垣間見た鈴子。見守る祖父。祖父の心を少しずつ溶かしていくのでした。
秋山邸で鈴子に会った愛染は、鈴子に求婚します。
そしてその頃、春時は偶然を装ったひなに会い、脅されるのでした。
感想
やっと再会できた鈴子と津軽なのに、その再会はとても悲しいものになってしまいましたね。両想いになり過ごした2年間は、あっという間に消えてしまったのですね。
記憶を無くし、自分だけを慕ってくれる鈴子の記憶が戻らなければいいと思ってしまう春時の気持ちが、痛いほど伝わってきます。
そして、鈴子と春時の様子を見ている津軽も、自分の立場を思い知らされて打ちひしがれていますね。
祖父に対しても、素直に父への愛を表現できないことに、胸を痛めて力になろうとしている姿がとてもいじらしいですね。
頑固で誰の話にも耳を貸さない秋山も、次第に心を開きかけていますが、しかしその一方では愛染との結婚を進めようとしています。
鈴子は記憶を取り戻したとき、隣にいるのはいったい誰なのでしょうね。
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