復活と再会。そして、かりそめの幸せの破壊――。
佐々木が、ついに「最期の仕事」への覚悟を決めます。
佐々木は、大切なもののために命を賭ける決意をし、昔の友を思い出します。
――僕は、きみのように誰かの為に命をかけてみたい。
懐かしい友の思い出を胸に、佐々木は自らの信念の元、行動を起こします。
「東京喰種:re」7巻のあらすじ
高槻の会見は、世間に大きな反響を呼び起こし、喰種を擁護する意見も現われます。
そんな中、喰種の根城、流島への上陸作戦が決行されます。その隙をつき、ヒナミを奪還しようとするアオギリの樹のアヤトをはじめとした喰種達。
喰種の収容施設であるコクリアに侵入する彼らの先で、警報の音が鳴り響きます。
佐々木が、独房の扉を開放して回ったのです。
隙をついて入りこんだアヤト達ですが、死神有馬貴将が立ちはだかります。苦戦するアヤトを、助太刀する者達。
それは、「:re」のウェイトレスの少女トーカと、店員の四方でした。
同じ頃、佐々木はヒナミを解放しますが、そこに旧多が現われます。ヒナミの助力で旧多を倒し、2人は逃走を続けます。
有馬と戦い続ける四方は、絶対的な威力の有馬のクインケに為す術がありません。絶体絶命の折、駆けつけた佐々木がクインケを受け止めます。
戦いはじめる佐々木と有馬。
有馬に足を切り飛ばされながらも、佐々木は必死に食らいつきます。
切り刻まれながら、佐々木は懐かしい親友、ヒデを思います。
かっこよく生きろ。
これは、友の言葉か、佐々木の意思か――佐々木の目に、確かな意思が宿ります。
「東京喰種:re」7巻のネタバレ
ネタバレです。エトによって世界の黒幕「V《ヴィー》」の存在が明かされます。喰種を構成員に持つ組織であるVは、この世界を自らの所有物だとみなしています。
Vに所属していた喰種には、エトと、エトの父功善、金木が喰種化された原因である神代リゼなどがいます。
そして、捜査官旧多は、「嘉納の道化《ピエロ》」と言われる喰種でした。
彼は喰種の組織、ピエロのメンバーでもあり、彼の目的は未だ謎に包まれています。
また、「:re」の店員である喰種、四方はトーカとアヤトの叔父でした。2人の母が、彼の姉だったのです。四方はそれを名乗ることなく、2人を見守っています。
四方は姉を守れず、捜査官に殺された事を悔いていますが、彼はある決意を持っています。
次こそは、守る――と。この誓いを胸に、四方は有馬と戦い、窮地に陥ります。
それに割って入る佐々木。
恩師である有馬と戦いたくない佐々木ですが、有馬は一切の本心を見せません。
「お前に払った時間は無駄だった」「いくぞカネキケン――」
最後に見せた、佐々木の涙と決意の眼差しが、強く印象に残ります。
「東京喰種:re」7巻の感想
佐々木が、偽りの幸せを捨て、本当に大切なもののために動き出します。
仲間であった喰種のヒナミだけでなく、部下であった六月の安否まで気にかける佐々木の眼差しは優しく、慈しみさえ感じさせるものです。
懐にいれた者は守らずにいられない彼の性格が、うかがえます。
また、仲間との交流や不知の死を経て、瓜江、六月、才子のクインクス達に強い絆が育まれます。
不知に変わって妹の治療費を稼ぎ、彼の死を忘れないと誓い合うクインクス達。自分の事しか見えていなかった彼らの成長が感じられます。
特に瓜江は班長としてクインクスをまとめ上げ、六月の救出に強い意志を見せます。そこに、同僚に嫉妬し昇進だけを考えていた昔の彼の姿はありません。
それぞれに成長を遂げた彼らは、大切なものを取り戻し、守りきることができるのでしょうか。
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