命を捨てるほどの愛は、果たして幸福なのでしょうか。
今巻では愛に殉じ、愛する者のために死んでいった喰種がいます。その喰種は最後に思い人に愛を告げ、こんな言葉を残していきます。
「こんなに幸せでいいのかしら――」
身を滅ぼすほどの激しい愛の終わりがあり、また、己の信念を貫いて殉職した捜査官もいます。
彼らの残した爪痕は、置いて行かれた者の心に、大きな傷を残していきます。
「東京喰種:re」6巻のあらすじ
佐々木はカナエと戦い、その中で昔のトラウマを思い出します。覚醒した佐々木に、カナエは倒され月山も佐々木に刺されます。
襲いかかってきた喰種――エトと佐々木は大乱闘を繰り広げ、佐々木が勝利します。エトの赫子を喰らう佐々木は、その行為を補給だと言ってのけます。
覚醒を経て別人のように冷たく変わり果てた佐々木に、周りは戸惑いを隠せません。
月山を赫子で貫き、高層ビルの屋上から投げ捨てる佐々木。
その後を追って飛び降りたカナエは、身を挺して月山を救い、死んでいきます。
同じ頃、不知は仲間を守るべくアオギリの樹の喰種ノロに挑みかかり、相打ちで殉職します。生き残った月山、脱走した父と共に「:re」のメンバーと堀ちえに助けられ、行方をくらませます。
佐々木は準特等へ昇進し、不知に変わって瓜江がクインクス班の班長に就任しました。
半年が経ち、クインクスには新たなメンバーも加わり、瓜江の元、任務を続けています。佐々木は旧多とともに、小説家高槻泉を捜査を捜査し、彼女を喰種被疑者として拘束します。
そして、アオギリの樹の根城として見なされる小島を調査に行ったクインクス六月は、アオギリの樹の喰種トルソーに捕まってしまいます。
対策局に便宜を図ってもらい、「最後の作品」について会見を開こうとする高槻泉。
テレビ撮影も入った現場で、高槻は衝撃的な一言を発します。
「私は喰種です」と――。
「東京喰種:re」6巻のネタバレ
ネタバレです。高槻泉は、アオギリの樹の喰種エトです。エトは喰種、功善を父に、人間を母に持つ隻眼の梟と呼ばれる強力な喰種で、アオギリの樹を組織したのは自分だと公言しています。
彼女は佐々木と戦いながら、「あなたのことが好きになったわ!わたしたちとても似ているもの!」と彼に好意を告げます。
また、自己の昇進しか頭になかった瓜江は、不知の死を経て、仲間と連携をとれるようになっていきます。エトとの戦いを機に感情を失ってしまったような佐々木とは対照的です。
大好きな母親に虐待を受けていた過去を思い出し、絶望を知る金木研の「なにかみんなに愛してもらえるようなことをして」「かっこよく死にたい」という言葉を受け入れた佐々木の胸の内には何が去来するのでしょう。
「東京喰種:re」6巻の感想
今巻で誰かのために死んでいった2人の者達は、その後残された仲間達に影響を与えていきます。月山への愛のために死んだカナエ、仲間と妹のために体を張った不知。
彼らの生き様は、読者に深い衝撃と感銘を与えるでしょう。ぜひ、彼らの言葉と想いを、その目でたしかめて頂きたいです。
また、佐々木がついに自分の中の金木を受け入れて、覚醒を遂げます。
しかし、覚醒と共に、冷徹で非情にも見えるほど変貌した彼は、何を思うのでしょう。
会見での高槻の暴露とあわせて、これからのストーリー展開に目が離せません。
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