“幸せ”とは一体何でしょうか? その答えは人それぞれ違うでしょうが、その事を体験したくて、人は生きているのでしょう。幸せの答えとして何かが用意されているかもしれませんが、ただ幸せを求めて人は幸せを捜し生きているのでしょう。
しかし、幸せの答えや捜す事を諦めて死を選ぶ人もいるのも事実です。そんな幸せをつかみ損ねそうになり、幸せの答えを捜そうとする漫画「プラチナエンド」は独特な世界観で読む人を引き込みます。
この独特で不思議な世界観を楽しみながらこの漫画の本当の意味を考えてみませんか。
プラチナエンド1巻のあらすじ
卒業式の歓喜の中で一人取り残されている架橋明日(かけはしみらい)。明日は両親の事故死以来叔母の家で育てられましたが、そこに待っていたのは家族のぬくもりでなく、更なる地獄絵図でした。
そして卒業式で皆がまだ名残惜しそうに談笑する中、明日は近くのビルの屋上に昇り“死ぬか”“幸せになりたかった”と言い飛び降りを図ります。一直線に屋上から地上に落ちていく明日。
その時落ちていく明日の体を支える者がいました。純粋で優しい特級天使のナッセでした。“間に合ってよかった”。しかし死を望んだ明日は余計な事をしてくれたとナッセを責めました。しかし、ナッセは明日に“幸せ”にするために現れたと説明します。
更にナッセは明日の今までの生活を同情するように話しはじめます。落胆する明日にナッセは“希望”と”愛“”自由“を与えると言い、その望みを果たす為に「翼」と「矢」のどちらかを選ぶように話します。
自暴自棄になっている明日は二つとも望みました。その要望にナッセは答えます。そして明日は翼を手に入れ自由に空を飛びました。自然と涙が流れる明日は自由と生きている事を満喫します。
そして、休んでいる明日にナッセは衝撃的な事実を突きつけます。
プラチナエンド1巻のネタバレ
ネタバレです。両親が死んで以来不幸の中で生きていた明日の元に現れた特級天使ナッセ。彼女はずっと明日の事を見続けていました。その証拠に今までの明日の生活ぶりを話しはじめます。そしてその話は衝撃的な内容となり、実は明日の両親は事故ではなく叔母夫婦の手によって殺された事をナッセに知らされるのでした。
信じられない思いでいる明日に“愛の矢”を使い叔母に真実を白状させます。矢の力により、明日の味方となった叔母はその当時の事を話します。遺産の為に明日の父と母を殺し、遺産を手に入れた事を。
今までの事を思い出す明日は、叔母夫婦が金が入ってから変わっていく様を思い出します。そして“死ねばいい”と言い放つと、突然叔母は自分を包丁で刺し息絶えます。
その凄惨な光景に明日は生きる事の意味を深く噛みしめます。死んでしまった父と母の分まで幸せに生きる、そうナッセに誓いました。
一方、ナッセはある事を思い出していました。ナッセ達は選ばれし13人の天使で、天使が選んだ人間が神となり、その人間に付いた天使は神となった人間の元で穏やかに暮らせることが出来ると。ナッセは明日を神に(幸せに)する事を強く願いました。
しかし、そんな綺麗な事だけ願う天使だけではなく野望を持つ天使がいるのも事実でした。
感想
一気に展開するスピーディーな話が魅力的なプラチナエンドです。明日がナッセと出会うまでの過程も衝撃的でありながら、なぜか淡々と流れていきます。デスノートでタッグを組んだ大場と小畑の2作目でした。作風的にデスノートを彷彿させる独特の雰囲気感がありますが、テーマが異なる部分もあり、新しい魅力に溢れています。
さて、このプラチナエンドもデスノート同様人間の欲望を忠実に残酷に表現しています。叔母夫婦との絡みは特にその事を強く感じます。後半では新しい天使が出てきます。更に初めての脱落者も出てきます。
そして今後の強敵となる天使メトロポリマンが登場するなど一巻から見所はいっぱいです。スピーディーな展開が魅力のプラチナエンド、先の読めない展開に楽しみも多く、期待感で一杯です。
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