倉田に、津軽がひなと共にいることを教えてもらった鈴子。ひなは亡くなったと聞かされていた鈴子の頭は混乱します。
会いに行ったのか、助けに行ったのか、それともまた別の理由があるのか・・・。
鈴子は津軽を追い仏蘭西へ渡ることを決意するのです。
「明治メランコリア」3巻のあらすじ
倉田の話から、ひなが生きていて仏蘭西に居ると知り、旧知の河内も驚きます。海外で亡くなったため遺体は無いまま密葬まで執り行ったのに、ひなは生きていた。
そして、軍まで動くほどの事件の中に居る。ひなと津軽がいまだに繋がっていたことにショックを受けるも、津軽の口から真実を聞くために、鈴子は気丈に振る舞います。
鈴子が町で見かけて欲しがっていたリボンを密かに買い、渡そうとしていた春時でしたが、そんな鈴子の姿を見て捨ててしまうのです。
海軍のトラブルを目撃し、いらない口を挟んでしまった鈴子。自分がいかに今まで周囲に守られ甘えてきたかを思い知らされるのです。
「明治メランコリア」3巻のネタバレ
1か月の船旅の末にたどり着いた地、マルセイユ。
津軽を想い気丈に振る舞う鈴子の傍で、どんどん苦しくなっていく春時。河内に促され、滞在先で鈴子の部屋を訪れた春時。そこには、髪をリボンで結い、嬉しそうな姿の鈴子がいました。
捨てたはずのリボンを河内がそっと拾い、鈴子に渡していたのです。誰かのものになってしまう大人になんかならなくていい、小さいままで、自分だけの愛しい鈴子でいてほしい・・・
溢れる想いから、春時は鈴子を抱きしめます。
のみの市に出かけた3人。大勢の人で賑わう中、鈴子は遠くに津軽に似た人物を見かけます。
その人物を追うも見失ってしまった鈴子。春時と河内の姿を探すも見つかりません。困っていると、ひとりの女性に声をかけられます。親切そうな女性についていきますが、気づくと女性の姿も鈴子の鞄もありませんでした。
以前津軽から貰った大切な櫛も入っていたのです。途方に暮れる鈴子。
そこに現れた可愛らしくて明るいその日本人女性は、市場の入り口まで案内してくれました。鈴子を探していた春時が駆け寄り強く抱きしめます。心配してくれていたことと力強い腕に安心する鈴子。
のみの市の会場で、鈴子が盗まれた櫛を見つけた津軽は、鈴子がこの地へ来ていることを察するのです。
そして鈴子たちの前に、倉田の命令を受けた海軍の平賀が現れます。鈴子は平賀が津軽捕獲のためにやってきたのだと思い込みます。そこへ先ほどの日本人女性が通りかかります。驚く河内。その女性こそがひなだったのです。
そして、ひなと共に現れたのは津軽でした。
感想
鈴子と津軽の恋は、政治的なものによって混沌としてきていますね。春時が自分の気持ちを抑える様子が痛いほどに伝わってきます。
鈴子が生まれたときから、大人になったら鈴子をお嫁さんに・・・と思ってきた春時にしてみれば、辛い現実に違いありませんね。
鈴子にとって何が幸せなのか、津軽と居ることが本当に幸せなのか。
春時の苦悩はまだまだ続きそうです。
そして仏蘭西にまで来た平賀。無表情な仮面の奥に、いったい何を秘めているのか。果たして本当の彼の任務は一体何なのでしょう。
ひなの登場で、人間関係はますます複雑に絡み合ってきました。
明るいながらも影を持ち、なにかを画策しているひなに翻弄されるながらも必死に津軽を追う鈴子から目が離せませんね。
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