前回紹介した「Kindle Unlimited」ですが、あまりに数が多すぎて、悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
今回は数ある「Kindle Unlimited」の中から選りすぐったオススメの漫画を5作品、皆さまにお届けしたいと思います。
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1.限界集落(ギリギリ)温泉
限界集落温泉と書いて、ギリギリオンセンと読みます。
限界集落で立ち退き寸前の温泉宿の息子龍之介は、洞窟の中で怪しげなホームレスの溝田と出会います。彼は激務に耐えかね、都会から逃げて来た元ゲームクリエイターでした。そしてその頃、かまってちゃんな自称有名レイヤーのアユは、廃墟を求めてボロボロの温泉旅館に迷い込んだのでした――。
そんな彼らは、限界集落をあの手この手で活性化していくのですが、その立て直し方は、ある意味ものすごく今時です。
SNSでつかんだアユの情報に群がってきたコアなアユのファン達を相手に、様々なイベントを考え、策をめぐらせる溝田の鮮やかな手腕は、見ていて爽快感を感じるほど。
限界集落、ネットアイドルなど、現代的なテーマを扱いながら、どこかただようノスタルジックな雰囲気にも引き込まれてしまいます。
また、ボツばかりの漫画家やゲーム音楽家、公務員など個性的な面々も作品にアクセントを添え、悩みを抱えながらも深い人生経験や独特のものの見方を持つ彼らが、非常に良い味を出しています。仕事や人生に行き詰まりを感じる大人にこそ読んでほしいヒューマンドラマです。
閉塞した時代の中だからこそわかる人と人とのつながりのありがたみや、人の行動の力を、しみじみと感じさせてくれるような作品です。
2.ヤマノススメ
アニメ化もされたこの「ヤマノススメ」は、山×美少女という異色のコラボが、思わぬ萌えと面白さを生み出しています。
高校生になったばかりの雪村あおいは、人付き合いが苦手。その分、趣味を楽しんで生きていますが、ある日幼なじみのひなたに再開し、ほぼ無理矢理に山登りに誘われます。
最初は全く気が進まなかったあおいでしたが、昔のふたりの山登りの思い出を思い出し、うっかり登山に前向きな返答をしてしまいました。
これがあおいとひなたの登山の始まりだったのです――。
ふんわりした雰囲気の話ですが、しっかり描きこまれたリアルな登山知識が魅力です。登山初心者のひなたと一緒に、山の楽しみ方やアウトドアグッズについてなど、山の知識を勉強することができてしまいます。
また、コッヘルで湧かして飲む紅茶や野外で作るパエリアなど、野外グルメの魅力もしっかり描かれています。
読めば登山に行きたくなること受け合いの、ほんわかアウトドア山漫画は、万人にオススメです!
3.王のいばら
中世ヨーロッパによく似た世界。そこにあるロレート王国の森の中には、狼と暮らす金の瞳の少女がいた――。
架空歴史ファンタジーであるこの「王のいばら」は、不吉だという理由で忌み嫌われ、排斥されてきた「金瞳(アルジェント)」の少女エピヌと、エピヌと出会い彼女を保護する王、ジェムソードとの王道ストーリーです。
エピヌは、その忌まれる金瞳のために母とふたり、森に隠れ住んできました。母を亡くしていらいひとりぼっちで狼と暮らしてきたエピヌでしたが、そんなエピヌをジェムソードは助け、嘘の予言で彼女をロレート王国と自分の守護者だと言い張り、エピヌの立場を守ります。
普段は無表情で何を考えているかわからないジェムソードの、ここぞという時の頼りがいと優しさに、読者は心をわしづかみにされるでしょう。
そうして、成長したエピヌは持ち前の美貌と賢さで、自分の地位を獲得していきます。また、森に住んでいるのにもかかわらず、何カ国語も操るエピヌの母という、謎の存在もあり、これからのドラマチックな展開を期待したくなります。
1巻から最終巻の17巻まですべて「Kindle Unlimited」の対象であるところも、オススメポイントのひとつです。読み応えのある長編を、じっくり楽しまれてください。
4.ストップ!! ひばりくん! コンプリートエディション
女手ひとつで自分を育ててくれた母が死に、天涯孤独の身となった耕作は、死に際の母の言葉により、ヤクザである大空組のお世話になることになってしまいました。
その大空家で耕作が出会ったのは、驚くような美少女のひばり。
しかし、どこからどう見ても美少女にしか見えないミステリアスなひばりは、実は男の子だったのです。
1981年に連載を開始したこの「ストップ!! ひばりくん!」はアニメ化もした話題作。
80年代テイストを感じさせつつ、今読んでも非常に面白いです。「男の娘」というジャンルの先駆けともいえるこの「ストップ!! ひばりくん!」は、耕作とひばりのラブコメが主軸となっていますが、才色兼備でスポーツ万能のひばりが、一種超人として魅力的に描かれていて、オカマというよりは性別を超えた存在のようです。
連載当時はきちんと完結していなかったようですが、ボーナストラックという加筆をふくめて、全3巻がコンプリートエディションとして「Kindle Unlimited」で読めてしまいます。
往時のファンも、読んだ事のない方も、これを機会にどうぞお手に取ってみてください。
5.本好きの下克上 司書になるためには手段を選んではいられません
本を異常に愛する女子大生の本須麗乃は、本に押しつぶされ死ぬ瞬間、神に祈りを捧げました。
「…神様 どうか生まれ変わっても本がたくさん読めますように――」
しかし、彼女が生まれ変わったのは、限られた人間しか満足に本が手に入れられない世界。本の読めない環境で、マインとして生まれ変わった麗乃は本の普及と図書館司書になることを目指す――。
原作は小説投稿サイト「小説家になろう」で大人気の小説「本好きの下克上」をコミカライズした今作は、近年大人気の異世界転生が題材ですが、独特の作り込まれた世界の中で、現代日本の知識を持つ幼女マインが低い文化レベルに奮闘しながらも大好きな本を手に入れる様は、空回りも含めて愛おしく感じてきます。
本が好きすぎて書痴レベルのマインの読書欲は、とどまるところを知りません。本がなければ自分で作ればいいじゃない、紙がなければ紙から自分で作ればいいじゃない、と暴走したマインはパピルスから自分で作ろうとします。
1巻では身の回りに本が全くない状況ですが、マインは困難を乗り越えて念願の司書になることができるのでしょうか?
見た目は幼女でも中身は女子大生なマインの、冷静かつ本能に忠実な行動から目が離せません。
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