津軽が胸に抱えているものは何なのか。鈴子は突き止めようとします。
しかし、枷と称して交わされた口付けに戸惑う鈴子。君を愛しく思う・・・その言葉は好きということだと思っていいのか、混乱してしまいます。
津軽の気持ちがいったいどこにあるのか、鈴子の動揺は広がります。
「明治メランコリア」2巻のあらすじ
呉服店へ軍人たちが津軽を探しに来た時には、すでに津軽の姿は住居にもどこにもありませんでした。何も告げられず姿を消した津軽に、鈴子は津軽の部屋へと足を運びます。
そして、以前部屋で見かけた津軽宛の異国からの手紙だけが消えていることに気付くのです。途方に暮れた鈴子は、庭の片隅にある犬小屋の中から、津軽が自分に宛てた手紙を見つけます。
そして、そこに書かれていたのは「待たなくていいよ」。行方をくらます直前に「枷(かせ)」と称した口づけは、この一言に絡みついていたのでした。
手紙を握りしめ、あふれる涙がこぼれ落ちたとき、背後から自分を気遣う声が聞こえます。
振り返ると、そこに居たのは神戸から帰った兄の春時でした。
「明治メランコリア」2巻のネタバレ
鈴子から事の顛末を聞いた春時。密偵の疑いだというのに、探しに来たのが警察ではなく軍人だったということを不審に思います。
翌日、鈴子は学校帰りに偶然叶に会います。そして、以前津軽の部屋で見た、異国からの手紙だと思っていたものが旅券だったことを知るのです。
家に帰った鈴子は、春時にそのことを伝え、津軽の足取りを追いたいと説得します。
鈴子が16歳になるまでは兄として務めよう、そう心に誓っている春時は、津軽探しに同行することに。
そして、神戸港かた仏蘭西へ渡ったことを突き止めたのでした。鈴子、春時、河内の3人は、津軽を追って仏蘭西行きを決めます。
仏蘭西へ発つことになり、以前叶から預かった包みを返しに行く鈴子。そして、その包みに中身が軍事に関するものだと知ります。そしてそれを渡してきたのは、津軽に関わる人間だと知るのです。
仏蘭西へ着いた鈴子は、春時と離れた一瞬で、海軍兵から乱暴されそうになります。助けてくれたのは平賀という不愛想な海兵でした。そして、平賀の上官こそが、叶に包みを渡した倉田だったのです。
津軽は仏蘭西へ発つ前に倉田に会い、鈴子が自分を探しにきても追うなと言っていたと告げます。それでも探しに行くと言う鈴子に、倉田は衝撃の事実を明かすのです。
津軽が会う目的の人物は、日本の密偵をしている元外交官夫人の女性。死んだときかされていた「ひな」だったのです。
津軽は、ひなに会い、何をしようとしているのでしょう。
感想
舞台は日本から仏蘭西へ。
血の繋がらない最愛の妹のため、自分の気持ちを押し殺して同行する兄春時と、天然でポジティブな河内。3人の旅が始まります。複雑に絡み合った人間模様と政治のなか、津軽の元恋人であるひなまで出てきて・・・?
鈴子は津軽の元へと無事たどり着けつのでしょうか、そして津軽はその時鈴子を受け止めてくれるのでしょうか。
気になるのは、やはり春時ですね。幼いころから、家族の中で浮いた存在だった春時を、唯一慕ってきた血の繋がらない妹の鈴子。
いつかこの子と共に・・・そう思い続けてきた春時に、津軽を想い続ける鈴子は妹ではなく切ない恋の相手です。
自分の気持ちを封じ込め、鈴子が笑顔になるために共に奔走する春時。鈴子を想う気持ちだけが、彼を支えているのかもしれませんね。
「待たなくていいよ」愛する相手にそう言われたら、あなたならどうするでしょう。
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