どんなストーリーにも終わりがあります。謎に満ちた長い物語もエンディングが必ず用意されています。それがハッピーでもバッドエンドであったとしても。そしてこの鳥籠ノ番もついに黒幕が姿を現します。
そしてこの黒幕が分かった事が果たしてこの物語のエンディングにどのように影響するでしょうか?
「鳥籠ノ番」4巻のあらすじ
前巻で鳩谷の負傷により鷹原までもが離脱しました。残り6人で最後の選択に臨みます。「青い梟の居場所がわかりました」と黒辺は仲間に告げます。黒辺は郭や雪が挙げたヒントを頼りに「青い梟」の居場所を特定しました。
彼の推理は前回の部屋での「みにくいあひるの子」をモチーフにしている、そこから推理すると初めの部屋と断定するわけではないけど限りなく初めの部屋でないかと話します。
そしてその青い梟のいる場所への道は出来ていると伝えます。そして道を進むとそこには青い梟が立っていました。そして物語の真実が明らかになります。
「鳥籠ノ番」4巻のネタバレ
ネタバレです。黒辺の推理が冴えます。前述のように「みにくいあひるの子」をモチーフとしていて違う卵がありました。それが罠でした。そして最後(城の謎)は青い鳥がモチーフではないかという事を推理しました。
青い鳥は二人が幸せの青い鳥を探して旅を続けるのですが結局鳥は自分の家にいたという事から、初めの部屋が鳥籠の形をしている事からここが梟の居場所だと分かりました。
そして梟の人は雲を抱えていました。そして梟は黒辺の命と引き換えに雲を返すと言います。梟の人の狙いは黒辺だったのです。そして黒辺を呼び出す為に雲を拘束していたのでした。
そして梟が仮面を脱ぐとそこには金原の母がいました。そこから先は惨劇の始まりです。鵜川をピストルで撃ち更に雪までも撃ちます。白鷺姉妹と黒辺に対する狂気は治まる事もなく推理で追い詰めた郭を金原は撃ち彼は倒れてしまいます。
その後も持論を語る金原親子。その叫びに呼応するように城が崩れ始めます。必死で脱出を図る黒辺達。迫りくる城の崩壊に彼等は無事でいられるのでしょうか?
「鳥籠ノ番」の感想
全体的に読んでみて何か悲しい物語です。登場人物それぞれに事情がありこの鳥籠城に集まってきました。その理由は噂や雲を心配しての事であったのですが、実際初めは軽いノリであったのがサヴァイバルゲームを乗り切り事で真剣味が上がってきます。
そして各々の状況や過去が回を追うごとに分かっていくのもこの話が面白くなっていく要素です。その事で仲間の絆が深まり互いを不器用ながらも理解していきます。
各話での伏線が最終的に繋がるという構図は大変興味深いです。犯人も意外な人物で最後までスリル感がありいい意味で裏切られた感じもします。
最後の金原親子の様子も(特に前半との金原の表情の違い)狂気に満ちています。仮面を外した時の金原母の表情は切なそうですが、後半に向けて狂気に走っていきます。そしてもう一つの見所は郭の冷静さを持った勇気ある行動です。ピストルを向けられても向かっていく姿は前半で見られなかった大胆さが印象に残ります。
そして最後の展開はセリフも少なく黒辺の遠くを眺める様子もサヴァイバルゲームや惨劇の後の静寂感が悲劇を物語ってます。
この「鳥籠の番」は良質なサスペンスで最後までドキドキさせてくれます。少しずつ謎が解明されていき、飽きがこないような展開は続編への期待が高まります。このメンバーでもう一度新しい物語を見てみたいと思います。
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