女子高生の本田由希子、通称ゆっこは、朝起きると自分の体が小さくなっていることに気がつきました。
何が起きたか確かめるため、ゆっこは愛犬のポコと一緒に、冒険に出かけることにしたのでした。
大変牧歌的な始まりのようですが、それは命をかけたサバイバルの始まりだったのです。
飼っている猫に、小さくなった両親を殺され、カラスや猫の群れに襲われるゆっこは、果たして小さくなった原因を突き止め、元の体に戻る事が出来るのでしょうか?
漫画「ワンダーランド」1巻のあらすじ
朝起きたら、景色がいつもと変わっていました。大きなベッドと、見上げるような愛犬ポコ。そして、窓ガラスの向こうに群がるカラスの群れ。
それを夢だと思いこもうとするゆっこでしたが、ポコと家中を見回ると、傷だらけの小さくなった両親がゆっこに何か警告を叫んでいました。
そこに現われたのは、飼い猫のミーくん。ミーくんはゆっこの父をはじき飛ばすと、獲物に対するように爪先でいたぶります。ゆっこに注意を向かせまいと、ゆっこの母はミーくんに呼びかけ、ゆっこは母の叫びでポコと共に急いで部屋に戻ります。ゆっこが最後に見たものは、ミーくんにかじられる母の姿でした。
ゆっこはカッターナイフと人形の服を装備し、ミーくんに殺された両親に別れを告げると、他の人を探し、携帯のつながるところへ向かうため、ポコと共に家から出て行くのでした。
漫画「ワンダーランド」1巻のネタバレ
ネタバレです。外では、カラスや猫が小さくなった人々を襲っていました。やっとつながったスマホで、ゆっこは彼氏のタクヤと連絡をとります。
彼氏が送ってくれた動画で、ゆっこは県下全域が自衛隊によって封鎖されたことを知ります。
うわさではバイオテロだと言われている。彼氏からその情報を知り、ゆっこは自分が小さくなったことを必死でタクヤに伝えようとしますが、通信は切れてしまいます。
ゆっこはポコのエサを求めてコンビニに入りますが、猫やカラスに襲われた人々に、ポコは危険視されて追い出されてしまいます。そこに現われたのは、戦士のような格好をした謎の少女でした。少女はゆっこを追い出した人々を蹴散らし、ゆっこに来るよううながします。
無事にポコにエサをやることができたゆっこは、コンビニの中の人々から情報を聞くことが出来ました。そこには、自衛隊が小さくなっていない人々を検査して県外に出していたのです。タクヤとの会話で、県外では何も起っていない事を知ったゆっこは、県外へ出ようとし、コンビニで出会った滝も、妻子が心配だとゆっこに同行。謎の少女アリスも二人についていくことになりました。
三人は、街の住人に呼びかける自衛隊を発見し、ゆっこと滝は助けを求めようとします。しかし、それをアリスが制止します。アリスは日本語が不自由なため、理由のわからない滝は制止を振り切り、自衛隊の元へ行こうとしました。
その瞬間、滝は自衛隊員によって網で囚われます。その後を追ったゆっこたちは、自衛隊員が集めた人々を殺しているのを目撃してしまいます。
そして、小さくなった人々の中でも、暴徒となる者達が現われ始めました。猫やカラスに襲われない建物の中は、暴徒が占拠し、ゆっこ達弱者は、外に追い出されてしまいます。
猫とカラスがひしめき、自衛隊が不気味に活動する世界で、ゆっこは果たして生き延びることが出来るのでしょうか――。
漫画「ワンダーランド」1巻の感想
人が小さくなれば、世界が違って見える。このような物語で有名なものには「不思議の国のアリス」がありますが、現実にこのような事が起きるとどうなるか、がこの「ワンダーランド」ではリアルに描かれていきます。
開始からすぐに主人公の両親は、飼い猫にあっけなく殺されてしまいます。猫の本能として、小さな生き物は獲物にしか見えないのは当たり前かも知れませんが、それは非常に衝撃的で、飼い犬が主人公に寄り添い、助けてくれるのとは対照的です。
本当に簡単に人が死んでいくこの漫画に奇跡のような優しいものはまずないのですが、主人公に救いがあるとすれば、謎の少女アリスと仲間になったことでしょう。自衛隊が危険だという知識を持ち、何やら不思議な力を持っているような描写もあるアリスは、この惨状を打破することができるキーパーソンに思われます。
このストーリーを読めば、必死に生きようとするゆっこ達が、どうか生還してほしいと思わずにはいられません。ダークな展開は多々ありますが、混乱した世界でのサバイバルや、サスペンスがお好きな方にオススメです。
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