今や自転車漫画の代表ともいえる「弱虫ペダル」。ロードバイクに乗ったこともないアニメオタクの主人公が、ひょんなことから自転車レースの世界で活躍していく姿を描いた作品です。個性豊かなキャラクターと、それぞれの細かい心理描写を軸にして進むレース展開に、奥深い魅力があります。
「弱虫ペダル」のあらすじ
主人公・小野田坂道は千葉県にある高校に入学したばかりの高校1年生。秋葉原とガシャポンをこよなく愛するアニメオタクです。
放課後、入部するのを楽しみにしていたアニメ研究部が部員不足のため休止中だと知り落ち込む坂道は、気を取り直し秋葉原へ出かけます。ただし、その手段は電車ではなくなんと自転車(ママチャリ)です。「ういた交通費でガシャポンが5回できる!」という理由で、車で1時間以上かかる距離を自転車で行くと言います。
そんな坂道の言葉を聞いた、同じ1年生で自転車競技部の今泉は「ただのアホだ」と相手にしません。しかし、坂道が実際に斜度20%の裏門坂をママチャリで、しかも鼻歌まじりで登っている姿を、今泉は目の当たりにすることになります。
この出会いが、これから坂道の高校生活をどのように変えていくのでしょうか。
自転車の奥深さを知っていく坂道
ここからネタバレです。全戦全勝を目標とする今泉は坂道の走りが気になり、自分が負けたらアニメ研究部に入るという条件をつけ裏門坂での競争を申し入れ、坂道はそれを受けます。
スタート前、小学3年生の時から毎週欠かさず自転車で秋葉原に通っていたと明かす坂道。アニメ研究部復活の強い希望を胸に秘め、坂道は勝ちを目指して勝負のスタートをこぎ出します。必死でペダルを回す坂道ですが、ハンデとして15分遅れでスタートした今泉にあっという間に追い抜かれ、心が折れかけます。
しかし、サドル位置を少し高くしただけで見違えるほど走りが変わり、再び今泉を追いかけることができます。また、ペダルをこぎまくる中で坂道は、徐々に自転車の奥深さと面白さに気づいていくのです。そして、坂道の目は今泉の背中をとらえます。
今後の展開は
さらにここで驚きの事実が判明します。坂道のママチャリは前ギアが極端に小さく、回転数をめちゃくちゃ上げないと進まないものでした。そんな自転車で毎週欠かさず往復90キロの秋葉原通いをしていたというのです。
そんな長年の習慣から知らず知らずのうち、坂道のペダルを回す力は普通ではマネできないものになっていたことがわかりました。
ついにレースは残り400メートル。追いすがる坂道を引き離そうと、今泉は本気の振り子ダンシングでスパートをかけます。一方、体は限界の坂道ですが、どうしても追いつきたいという強い思いがあふれ、さらにペダルを回し差を縮めながらゴールを目指します。
果たして、勝つのはどちらなのでしょうか。
まとめ
「弱虫ペダル」は本格的ロードレース漫画ですが、1巻では主人公の坂道は初心者どころか、乗っているのはまだママチャリです。ですが、秘めているポテンシャルはかなり大きいものだということは、あちこちから読み取れます。
この勝負の行方も気になるところですが、今後、坂道がどのようにロードレースにのめり込んでいくのか注目です。
また、この作品はキャラクターの葛藤や成長過程がレース展開に大きく反映されながら進んでいくので、深い人間ドラマとしても感情移入しっぱなしで読んでいけます。これからどのような仲間やライバルとの出会いがあり、どこまで成長していくのか、続きが楽しみな作品です。
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