春野かすみは、カスのかすみと呼ばれる冴えない14歳。
気になる男の子はいるも、見てるだけで何もできず、仲良く話せる友達は幼なじみの笑美だけ。
そんな彼女の毎日は、失踪したはずの父が送ってきた不思議な力を持つ指輪と手鏡により、一変します。
指輪と手鏡がかすみにもたらすのは、災いか、それとも幸いかーー。
リアル魔法少女ストーリーの開幕です。
「La Vie en Doll ラヴィアンドール」1巻のあらすじ
都内の私立中学に通う春野かすみは、いつも教室の片隅にいるような、取り柄のない少女です。クラスの女子にはいじめられ、気になる男子、勇気には、声もかけられません。
家事をほとんどせず、仕事も長続きしない母親と、中学に上がる前に失踪した父親の三人家族で、幼なじみで唯一の友達の笑美が今のかすみの救いと言っていい状態です。
そんなかすみの元に、ある日失踪したはずの父親から小包が届きます。
かすみへ、父より愛を込めて、というメッセージとともに入っていたのは、小指にはまる小さな指輪と、手鏡でした。
ためしに指輪をはめてみたのですが、取れなくなり、手鏡はのぞくと自分の表情は関係なく自分を見て笑っているように見えます。
クラスメイトに虚言癖と言われますが、かすみは父から久しぶりにもらったプレゼントをネタに嘘をつこうなど考えていません。
再び鏡をのぞいたかすみに、鏡は「何やってんのよ」と微笑みかけ、「代わりなさい!」とかすみに命令するのでした――。
「La Vie en Doll ラヴィアンドール」1巻のネタバレ
ネタバレです。手鏡の命令を聞いた直後、かすみは豹変しました。自分を罵ったクラスメイトを平手打ちにして、「もっと早くこうしてれば良かった」と、卑屈な普段とは別人のような言動をみせます。
そして、気になってはいるけど話せなかったクラスの男子、勇気に好きだと宣言し、キスをしてしまいます。その後、我に返ったかすみは自分のしたことを覚えておらず、もう死にたいと落ち込み、勇気を見ても声もかけられません。
そんな頃、かすみの家に不審な外国人の男女が押し入り、奇妙な力でかすみの母親に怪我を負わせます。その連絡を受けて、かすみはとりあえず笑美の家に行くことにします。そこに、不審な外国人の男がかすみ達に声をかけてきました。
二人は逃げますが、男の仲間の奇妙な力を使う少女レベッカが、窓ガラスを吹き飛ばして追いかけてきます。
指輪を狙うレベッカは、かすみの持つ女王の小指輪を手に入れようとしますが、再びかすみの性格が変化し、髪の毛の色も変わります。好戦的なもう一人のかすみは、椅子を振り回して対応しようとしますが、レベッカは超能力めいた力で椅子を破壊してしまいます。
指輪を狙い、追うレベッカと、逃げるかすみ。先生を呼んでこようとする笑美は、新たなレベッカの仲間の男に出くわしてしまいます。
レベッカからかくれるため、トイレに潜伏したかすみは、自分の豹変した人格に、早く元に戻すよう、懇願しますが、新たなかすみは「私の好きなように生きるんだから」と聞く耳持ちません。追いついたレベッカはかすみに攻撃しますが、攻撃は女王の手鏡にすいこまれてしまいます。さらなるレベッカの攻撃は、かすみの指輪によって防がれてしまいました。
倒されたレベッカを見て、新たな男は「代わりは見つけた」と、レベッカの腕輪を外し、笑美の腕にそれをはめてしまうのでした――。
「La Vie en Doll ラヴィアンドール」1巻の感想
リアル魔法少女ストーリーとテーマをうたれたこの作品は、女王のアクセサリーを持つ少女達が、その異能力で戦うアクションシーンが見所のひとつです。開幕に何人もの少女が現われ、これからの少女達の戦いを予想させて、読者の興味と期待をあおります。
普段冴えないいじめられっ子が変身するというのは王道の設定ですが、いじめっ子がしっぺ返しをくらうことも含めて、胸がスッとするようなカタルシスを感じます。魔法少女というインパクトのある設定を使いながら、王道もきっちり押さえたこの作品の先が非常に楽しみです。
地味なかすみは魔法少女として戦いに勝ち残っていけるのか? 女王の小指輪と手鏡とは? そしてかすみを追う謎の男達の正体とは? 実力のある作家の描く魔法少女ストーリーは、ページをめくる手がとめられないこと受け合いです。
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