少年は、高校でひとりぼっちの地球侵略者と出会う――。
広瀬岬一は、高校の入学式で「久しぶり」と、妙な仮面をつけた女生徒に襲われます。変人だと有名な彼女、2年生の大鳥希は、自分の仲間になるよう岬一に勧誘をかけてきます。
彼女の目的は、地球を征服すること。
実は希は、地球を侵略するためやってきた、宇宙人だったのです。
高校から始まる地球侵略、ここから堂々開幕です――。
「ひとりぼっちの地球侵略」１巻のあらすじ
広瀬岬一は、祖父と兄の龍介と、病弱な双子の兄凪と暮らす高校生。
彼は、入学したばかりの高校で、仮面をかぶった奇妙な少女に出くわします。
「久しぶり」と、得体の知れない少女は、岬一を指差し、おもむろにこう言います。
「お前の命を、もらいに来た」
全く心あたりのない少女に追いかけられながら、岬一は自分の体が少女の言葉で強張ったのを感じます。異変に戸惑う岬一ですが、少女は驚異的な身体能力で岬一を捕まえます。
「さあ…その心臓をいただくよ」
岬一の胸に手をかけた少女ですが、何かを感じて、少女は動揺するのでした。
「ひとりぼっちの地球侵略」１巻のネタバレ
ネタバレです。少女の名は大鳥希。変わり者で有名な2年の先輩でした。追いついた友達と教師からその事を聞く岬一でしたが、ふと、自分の体の異変に気づきます。
希が触ってから、小さい時の胸の傷跡が消えた、これに驚いた岬一は希の元に駆けつけ、何をしたのか問いただします。
希の答えは突拍子もないものでした。10年前やってきた宇宙船団の騒動で怪我をした岬一に、その時この星に来ていた希が心臓を入れたと言うのです。
その心臓を返してもらおうと思ったが、同化しているのでやめた、という希は、傷もその移植した心臓がなおしたのだろうと笑います。
君はもうこっち側だから仲間になるべきだ、宇宙人らしく大望を果たすべき、と言い切る希は、全く希を信用していない様子の岬一に自分の目的を堂々宣言します。
「この地球を征服するのよ！」
希の言葉を振り切って、岬一は家に帰ります。岬一の祖父は、珈琲屋を営んでいます。岬一の夢は、その店を継ぐこと。だから希の相手はしていられないと思う岬一でしたが、傷が消えた不可解さはまだ心に残っています。
考え事をしていたせいで、岬一は火傷を負ってしまいますが、その火傷はあっという間に消えてしまいました。
「もうこっち側」という希の言葉を思い出して恐怖を感じる岬一でしたが、祖父の元に戻ると、そこには得体の知れないものが祖父を飲み込もうとしていました。
そこに現われたのは、希でした。祖父を助けてくれと言う岬一に嫌だと言いながら、希は岬一を守り、再び仲間になろうと岬一を誘います。
「あなたは私の心臓を持っているんだもの！」
だから岬一は特別だ、仲間になればお願いを聞いてあげる、と楽しそうにいう希に、岬一は不承不承仲間になることを了承します。
即座に怪物を倒した希は、改めて岬一にこの星を征服するために送り込まれた侵略宇宙人だと自分の正体を明かし「よろしくね」と岬一に手を差し出すのでした。
「ひとりぼっちの地球侵略」１巻の感想
この「ひとりぼっちの地球侵略」は、ボーイミーツガールと宇宙人による地球侵略が、同時に進行しうる非常に希有な漫画ではないでしょうか。
超現実的な展開と、可愛い絵柄、登場人物達の豊かな表情が絶妙にマッチして、侵略者と被侵略者の少女と少年のやりとりが不器用なラブストーリーに感じられてきます。
ネタバレですが、希に反発していた岬一が、ボロボロになって異星人と戦う希に「お前はもうひとりぼっちじゃないんだ！」と叫ぶ場面は、タイトルの伏線回収であるとともに、本当の意味でふたりが仲間になった瞬間であり、それまでの希の境遇を考えると感無量になる所でもあります。
今巻で色々な伏線がばらまかれた状態ですが、なぜ希は岬一に自分の心臓を移植したのか？ そもそもなぜ地球に侵略に来たのか？ など、謎は深まるばかりです。
少年漫画ですが、男女ともオススメできる作品ですので、気になった方はぜひお試しください。個人的にアニメ化してほしい作品でもあります。
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