高校生のハルとナツは、周囲も公認の仲良しカップル。
しかし、平穏で楽しい日常は、不穏な非日常と隣り合わせでした。
ある日、ハルの机に、現在街を騒がせている連続放火魔だという落書きがされてしまいます。
そして、『放火魔』によって大火傷を負ってしまうナツ。その放火魔の正体とは――?
「春の包帯少女」1巻のあらすじ
高校生のハルとナツは、周囲も羨むカップル。楽しく青春を謳歌していた二人でしたが、街には連続放火魔が現われ、連日ニュースを賑わせています。高校でも、放火魔の話は広がり、捕まらない犯人に皆は不安をつのらせていました。
そんな時、ハルの机に「お前が放火の犯人だ」という落書きがされ、それを見たハルは教室を飛び出してしまいます。必死にハルを追いかけるナツですが、ハルは体育倉庫で立ち尽していました。駆け寄るナツに、ハルは「来るな!!」と血相を変えて怒鳴りつけるのでした。
「春の包帯少女」1巻のネタバレ
ネタバレです。ハルの右腕からは、炎が立ちのぼっていました。ハルは発火能力者だったのです。力をコントロール出来ないハルは、ナツに逃げろと言い残し、倒れてしまいます。ハルを助け起こそうとしたナツでしたが、ますます燃えさかる炎は体育倉庫に燃え移り、巻き込まれたナツは大火傷を負ってしまいます。
気がついたハルは、傍らで倒れているナツを見て絶叫し、そのままナツとハルは病院に運ばれました。殆ど怪我のないハルはすぐに目を覚ましますが、ナツは危険な状態だと言われそのままハルはナツに会えなくなってしまいます。
そして夏が終わり、新学期になりましたが、ハルが放火魔だという噂は学校に残ってしまっていました。登校中、仲が良かったクラスメイトからも目をそらされ、ハルは学校に行けずに、公園でひとり自分がナツに火傷を負わせたという自己嫌悪に苛まれます。
そこに現われたのは、ナツでした。会えないと言われたはずの彼女は、身体中に包帯を巻きながらも、ハルを笑顔で見つめます。謝罪をするハルに、ナツは大丈夫だよ、と微笑み、「それでも…私は…好きよハル」「いつまでも…」とハルにキスをするのでした。
「春の包帯少女」1巻の感想
カップルの日常から始まる「春の包帯少女」は、ラブコメだと思わせておいて、思わぬ方向に話が展開していきます。
街を騒がせる放火魔という伏線は、主人公の少年がコントロール出来ない発火能力者だという事へとつながっていきます。その力で彼女であるナツに大怪我を負わせてしまったハルですが、ナツはそのような目にあっても微笑みながら全てを受け入れる姿勢を見せています。
この時のナツの様子は、慈愛に満ちていながらも底の知れないヤンデレ感をかもしだしており、彼女もまた何かを抱え込んでいるのではないかという、普通ではない雰囲気が垣間見えています。
可愛く繊細な絵柄なので、登場人物の恋愛描写は初々しく、また、何かを抱えていたり、病んでいるような場面の表情も迫力があり、絵だけでも見応えのある漫画です。
ナツの逃げていく放火犯を見たという嘘で学校の噂は消え、普通の学校生活を取り戻すことが出来たハルでしたが、放火犯をはじめとした悪を憎む少女アキの登場で、さらなる波乱が予感されます。
そして、どうやらナツにもハルの発火能力のような不思議な能力があるようで、伏線だらけの今巻でしたが、謎が解き明かされていくであろうこれからの展開が、非常に楽しみです。
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