あなたはもし未来の自分から手紙が届いたらどうしますか?幸せな内容なら、安心して未来へ進んでいけるでしょう。しかし、そうでなかったら…。
「orange」では未来の自分が大きな後悔と深い悲しみに包まれています。この作品は自分の未来を変えるために、大好きな人の未来を守るために、今できる精一杯を青春に刻んだ切ない感動ラブストーリーです。
2015年に実写映画化し、さらには2016年夏にアニメ化するなど各メディアに進出している、そんな大人気作品「orange」を紹介します。
「orange」のあらすじ
高宮菜穂は人生初の寝坊をした高校2年生の始業式の日、10年後の自分からだという手紙が届きます。その手紙には今朝の寝坊のことも、今日きた転校生、成瀬翔のことも書いてあり悪戯ではないことが分かりました。
どうしても叶えて欲しい願いがあり、そして未来の自分と同じ間違いを繰り返さないで欲しいと書かれた手紙には、さらに始業式の今日だけは絶対に翔を放課後遊びに誘わないようにともありました。
しかし、須和弘人を始めとした菜穂と仲の良い友達4人が翔を誘ってしまいます。その日は皆で楽しく過ごしましたが、なぜか次の日から翔は2週間学校を休みます。
球技大会の日、ソフトボールの試合で翔は菜穂の怪我に唯一気づき、菜穂は我慢しがちな自分のことをいつもちゃんと見ていてくれた翔を好きになります。しかし、未来からの手紙の続きには翔が17歳の冬に事故で亡くなったことが書かれていました。未来の自分の願いは翔を救うことでした。
菜穂は未来の自分のたくさんの後悔をなくすため、1つ1つ勇気を振り絞って行動します。そんな中、翔は美人で有名な上田先輩から告白され付き合います。それから菜穂は先輩への罪悪感から翔と会話をする機会がなくなってしまい、手紙のお願い通りに行動できず翔を避けるようになってしまいます。
翔の笑顔の裏側と変わる未来
ネタバレです。翔が始業式の次の日から学校を2週間休んでいた理由は、母親の自殺によるものでした。さらに未来で開けたタイムカプセルの手紙により、翔も事故ではなく自殺だったということが分かります。
未来の菜穂は翔を孤独にしたことを、ちゃんと見ていてあげられなかったことを心から悔やみ、翔を救うため過去をやり直したいと願います。
手紙に書かれた後悔をなくしていくことで未来は少しずつ変わります。2人が付き合ってから翔を避けていた菜穂には須和が逃げるなと元気づけます。勇気を出して話をしにいった菜穂の気持ちが伝わり、ずっと思い悩んでいた翔も笑顔を取り戻します。
菜穂との会話の中で翔は上田先輩とは別れること、そして別に好きな人がいることを誰とは言わず菜穂に打ち明けます。
「orange」1巻の感想
冒頭から引きこまれます。「未来の自分からの手紙」というだけで、その内容や書いた理由が気になる人も多いのではないでしょうか。普通のラブストーリーだけでなく、パラレルワールドとして未来の菜穂視点の話と平行しながら進んでいくので途中で飽きることなく読みきれます。
大人になると過去への後悔は大小あれ誰もがもつものでしょう。また学生としての恋愛へのもどかしさは誰もが経験するものでしょう。そのため、大人が読んでも学生さんが読んでも自分の立場と重ねて読むことができるので感情移入しやすい作品だと思います。
また、漫画の絵は可愛さの中に綺麗さもある作品ですので、他のメディアから先行して見た方にもぜひ原作の漫画で読んでもらいたいです。
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