昔、怖い話を聞いたら夜トイレに行くのが怖くなった経験は誰しもあるでしょう。トラウマになるような話がたくさんありました。そしてその話は時間が経っても忘れる事はないです。それほど強烈でインパクトがある程怖いと言う感情は強いです。
そして漫画の中にもそんな作品があります。強烈な怖さを見せる漫画やジワリとくる恐怖を生み出す漫画もあります。そんなホラー漫画を紹介いたします。覚悟して読んでください。
1.彼岸島
ある島で止む気配のない雨が降り続けている中で一人の男がある男を観察していました。その手には大きな木の杭を持っていました。走っていた背広姿の男は息を切らし、家の中に入ると鎌を手にします。
弟を捨てた事に感傷的になっていると、突然家の外から手が伸びてきてその男を襲います。もうここまでかと思った瞬間、行方を見守っていた男が杭で襲ってきた人を殺してしまいます。その背広姿の男は間一髪助かりました。
もう一人の男は眼鏡をかけた大学生風の男でした。彼は躊躇なく襲ってきた男を杭で頭を撃ち抜きました。背広姿の男は死を悟り、最後の言葉を話すのですが、ある異変に気付きます。血がおいしいそうと話します。その事を聞いた眼鏡の男はその杭を背広の男に向けます。ここは吸血鬼が住む島なのです。
彼岸島は大人気シリーズで続編がいくつか出来る程の人気作です。序章は宮本明が行方不明になった兄篤を助けに行く所から始まります。描写が凝っていて全体的にダークな雰囲気が漂うホラー漫画です。それと共にサスペンス要素も兼ね備え怖いながらも読み進めてしまいます。じわりじわりと吸血鬼の恐怖が迫り、一気に恐怖を植え付ける手法はストーリー的にも良く出来ています。映画、小説など多くの媒体展開をしています。
2.カラダ探し
高校生明日香は1つの後悔をしていた。私がレポートを一緒に提出していればと・・。そして明日香の友達遥から変な事を言われます。「私の体を捜して」と。その事は他の友達にも伝えられていた事でした。ちょっとヤンチャ風な高広はまるで取り合うような感じではなく、馬鹿にするようでした。そして気の強そうな留美子、優そうな理恵も困惑していました。そこでインテリ風な翔太が高広に伝えたのは「赤い人の怪談」を知らないのかと。
学校での伝説的な怪談で赤い人を見て、振り返らずに逃げないと体をバラバラにされると伝えられます。高広は馬鹿馬鹿しいと相手にしないのですが、明日香は遥の態度に不安を覚えます。そしてその夜、理恵とのメールのやり取りが終わらなくなりメールが勝手に動かされます。
パニックになる明日香は、気付くと学校にいました。更に他の友達も一緒でした。混乱している明日香達でしたが、その事を無視するように放送が流れます。「赤い人が生徒玄関に現れました」。
古典的な様子を持ちながらも、現代風のメールを使った仕掛けはじわりじわりと恐怖を与えます。特に冒頭での赤い人のメールに侵入してくる件は良く出来ていて、一つ一つ恐怖を与え大きな衝撃を与えてくれます。そして赤い人が立ちつく姿は恐怖で鳥肌ものです。
ここからカラダ探しが始まるのですが、その中で赤い人の事も徐々に分かってくると言うサスペンス的な要素を含みながら、明日香達が赤い人の呪いを探り解決を探ります。カラダを捜すと赤い人が立ち塞がるというサバイバル要素もあり怖いながらも読み始めると一気に読みたい漫画です。
3.うしろの百太郎
心霊研究をしている父後健太郎を持つ後一太郎は霊感が強い少年です。父の影響もあり数々の怪奇現象の場所へと向かいます。そして父健太郎の協力などで人間を超えた力を持ちます。
しかし力が弱いためか窮地におちる事もあります。そんな時は霊能犬ゼロ(超能力犬)や強い力を持つ(位の高い武士であった)守護霊百太郎が一太郎を助けてくれます。そして今日も一太郎は二つの大きい力に守られながら、悪霊と戦います。
オカルトブームの先駆けとして連載されたこの漫画は、オカルト漫画の巨匠つのだじろうさんの作品です。アクション的な要素を含みながらも心霊写真の解説や心霊源現象の解説など徹底的な取材に基づく解説があります。
恐怖要素を含みながらも、そこには先祖への敬意といった事がテーマとして描かれています。単純なホラーというよりも、怪奇現象そのものを霊科学的に取り組んだ伝説的作品です。
感想
いかがだったでしょうか? 背筋も凍るホラー漫画の傑作選でした。どの漫画も特徴があり、じわりじわりと来ます。1人で夜読むには抵抗がある漫画ばかりでしたが、ただ怖いだけでなくサスペンス的な要素も含んでいるので、ストーリー的にうまく入っていけます。その事が怖いながらも人気のある証拠でしょう。
日本のホラーというと海外ホラーと違い派手さはないですが、じっくりとしたストーリーが特徴です。海外での評価も高く人気があります。
今回ここでは紹介しませんでしたが、梅図かずおさんもホラー漫画をたくさん描いていて「うばわれた心臓」などはトラウマになるほどの怖さがありました。これからホラー漫画は形を変えて出て来るでしょうが、ストーリーはしっかりして心の芯に突き刺さるような漫画という特徴は変わらないでしょう。
この記事へのコメントはありません。