ニコラの祖父であり、深紅の処刑人を作り上げた、フィリップ・クリムゾン登場――。
クリムゾンは、世界規模の武器商クリムゾン・キングダムの総帥でした。
死の商人クリムゾンは、エルプトンと組んでタルカスで暗躍をしています。
そして、コニーは自分をはめようとしたカシム・ファミリーに復讐の牙をむけるのでした。
「PEACE MAKER」4巻のあらすじ
ニコラの祖父、フィリップ・クリムゾンは、武器商人であり、深紅の処刑人なる最強の私設軍隊を、世界中の戦場に送り込んでいます。そんな死の商人クリムゾンがタルカスでエルプトンと不穏な動きをしていると、ミクシーは情報を入手しました。とんでもない事が起きる。そんな予感を抱えながら、ホープ達はマウントタルカスにたどり着きます。
そしてその頃、コニーは自分をはめたカシムファミリーに復讐をしようとしていました。しかし、ターゲットはすでにコニーの行動を見抜き、彼女を討とうと待ち構えていました。コニーを迎え撃つのは、同じ深紅の処刑人のピーター・エンフィールド。
彼はフィリップ・クリムゾンにザジ・カシムの暗殺を企てる者を始末しろと命を受けていたのです。元・深紅の処刑人と呼ばれ、組織から切り捨てられた事を知ったコニーは死の魔術師と呼ばれるエンフィールドの術にはまり、体が動かなくなってしまいます。
辛くも逃げたコニーですが、エンフィールドはコニーを追い、盲目の自分は見えないものもよく見えると、コニーを追い詰め、川に撃ち落とすのでした――。
「PEACE MAKER」4巻のネタバレ
ネタバレです。コニーを倒したエンフィールドは、次の仕事のためマウントタルカスに到着します。ニコラの同行者の名前を聞くエンフィールドは、ビートの名前に反応します。そのビートは、マウントタルカスの決闘に参加していました。
そしてカイルはカジノで妙な男――エンフィールドと遭遇します。エンフィールドと勝負し、掛け金を取られたカイル。エンフィールドはカイルにまた会おうの言葉を残して、去って行きます。
また、マウントタルカスの決闘に現われたエンフィールドは、過去を清算するためビートを葬ると宣言します。そして第一戦、エンフィールドは二丁拳銃を構えます。と、対峙した現チャンプのコヨーテは、体が動かなくなり、エンフィールドに倒されてしまいました。カイルはエンフィールドの正体を知るべく、動き出します。
その手がかりは、エンフィールドがビートに告げた同じサン・ジャシントの生き残り、という言葉。サン・ジャシントはビートを残して、一夜にして全ての村人が謎の死を遂げた町でした。
そのサン・ジャシントで家族が死に絶える悪夢を、エンフィールドは見ていました。
盲目となった今も神は私を罪から逃がさない。そう思うエンフィールドは、神が自分に送った戒めだと思いこむビートを始末することを考えています。
そしてカイルは、誰かの雇ったチンピラに命を狙われます。そこを救ったのはコニーでした。
また、ビートもエンフィールドの正体について悩んでいました。サン・ジャシントでエンフィールドの名前を聞いたことのないビートは、ニコラにクリムゾンの家に居た時の情報を教えてもらいます。一瞬のうちに街一つを滅亡させる程の術を持っていた者――エンフィールドの正体は調香師だったのです。
生物の神経や感覚を麻痺させる危険な香りを精製する黒調香師のエンフィールド、自力で答えにたどり着いたカイルは、同行を願ったコニーも連れていきます。
そしてビートはエンフィールドと決闘します。決闘中、勝利を確信したエンフィールドがふと思い出した約束という言葉、それは幼きビートと過去のエンフィールドとの約束でした。
サン・ジャシントの平和は誰にも脅かさせない、その誓いを思い出し、エンフィールドは安らかな顔でビートの銃弾に倒れ、その穏やかな顔を見て、ビートも昔のエンフィールドを思い出します。
マウントタルカスの工作の失敗を聞いたクリムゾンは、クリムゾンによって混沌に向かっている情勢に、武器商人にとっては都合がいいと笑うのでした。
「PEACE MAKER」4巻の感想
ビートの過去に触れた今巻でしたが、新たな深紅の処刑人、エンフィールドとの因縁が語られていました。不安定な世界を憂い、自分の美しい故郷を守る事を夢見ていたエンフィールドは、自らの作った自殺をうながす死の香りをエンフィールドの力を怖れる者達に町にまかれ、町は滅びてしまいました。
最初は純粋だった男が、自らの力で悲劇に導かれる様子は、因果応報というにはあまりに悲惨です。
同じ思いを共有した同郷のビートの手によって撃たれたエンフィールドは、昔を思い出し、死によって自分の罪から解放されたようにも見えます。そして、敵だったコニーは今巻で仲間のような立ち位置に変化しています。
そんな処刑人達を操るクリムゾンは、純粋な悪のように物語の裏に君臨しています。クリムゾンの狙いは何なのか、今後の彼の動向が物語に大きな影響を及ぼしていくことは間違いないでしょう。
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