アメリカの西部時代に似た世界。そこでは、銃の早撃ちを競い合う銃士が腕を競い合い、強い力を持っていました。
そこで出会ったのは、訳ありの少女ニコラと、訳ありの天才的な銃の腕を持つホープ。
大富豪のフィリップ・クリムゾンの手先である、深紅《クリムゾン》の処刑人《エクゼキューター》から追われるニコラを保護しながら、ホープは襲い来る処刑人達を相手に、父の形見の愛銃を構えます。
「PEACE MAKER」1巻のあらすじ
アメリカ西部時代に似た世界。そこは銃士なる早撃ち名人が存在し、彼らは命をかけて早撃ち対戦をしてファイトマネーを得るなど、皆の賞賛と注目を浴びていました。
反面、治安は悪く、大富豪のフィリップ・クリムゾンの抱える深紅の処刑人という銃士の軍団による非道が横行しています。深紅の処刑人は国の軍隊を動員しても勝てるか分らないと言われ、彼らはフェードン村を壊滅させ、ただひとり生き残ったのは、ニコラという少女でした。
彼女を連れて来たカイルは、デュエルチャンピオンと呼ばれる銃士グレッグに、人助けだとニコラを売り渡します。元孤児のグレッグは、ファイトマネーのほとんどを孤児を預けている教会に寄付し、カイルはグレッグに孤児を斡旋して小金を稼いでいるのです。
そこに、一文無しの男がカジノからたたき出されてきました。男が持っていた金目の物は、立派な一丁の銃のみ。グレッグは男に手をさしのべ、その銃を見せてもらおうとしますが、男は申し出を断り、血に染まりすぎたグレッグはこの銃に触れる資格はないと言いながら行ってしまいました。
そんな時、現われたのはニコラを探す不気味な男でした。男は、ニコラをクリムゾンの元に連れていこうとします。叫ぶニコラに、グレッグは銃を抜き男に突きつけます。反撃する男は、グレッグが銃の決闘をするデュエリストであると知り、決闘を申し込みます。
男は、深紅の処刑人のメンバー、ハンス・ジャイルズでした。グレッグは肩を打ち抜かれるのと引き替えにハンスの心臓を打ちます。勝利を確信したハンスでしたが、防弾服に弾かれて弾は心臓に届かず、ハンスの銃弾にグレッグは倒れ、ハンスはニコラを連れ去ろうとするのでした――。
「PEACE MAKER」1巻のネタバレ
ネタバレです。そこに現われたのは、カジノをたたき出された男でした。彼はハンスに決闘を申し込みます。人は撃たないと言っていた男でしたが、彼はこう言います。
「この銃が裁きを下すのは悪魔……人の人生を平気な顔をして奪うことの出来る……人の皮を被った悪魔だけさ」
そして、男はハンスの心臓を打ち抜きました。防弾服を突き抜けて打ち込まれた弾、それは男が一点の場所に三発の銃弾を瞬時に撃ち込んだ高等技術によるものでした。
死を前にしたグレッグは、男の銃を伝説の早撃ちの達人ピース・エマーソンのものではないかと男に聞きます。男は、ピースは親父であり、自分の名はホープ・エマーソンだと名乗ります。
グレッグは、自分を銃士の道に進むことを導き、最も尊敬するピースの息子に会えたことを神に感謝し、息を引き取ります。
人を探しているというホープは旅立ちますが、ニコラはホープの後を追い、彼に、あなたはクリムゾン一味を倒す運命だと同行を求めます。
その後、ニコラの元には深紅の処刑人から幾人もの追っ手が送られます。ニコラは、フィリップ・クリムゾンの孫娘だったのです。
そしてホープとニコラは、後に仲間になった天才賭博師カイル・パーマーと共に、因縁をたどりながらクリムゾンと対峙し、ホープは行方知れずになった生き別れの兄、コール・エマーソンを探すのでした。コールが深紅の処刑人の一味だと知らないままに――。
「PEACE MAKER」1巻の感想
「スプリガン」や「ARMS」など、読者の心を鷲づかみにするアクションと、魅力的なキャラクターに定評がある皆川亮二による「PEACE MAKER」は、西部風の世界を舞台にし、銃士なるガンマンが力を持っています。
主人公のホープをはじめ、銃士によるガンアクションはアクション好きなら必見! 動きを押さえつつも、絶対的な技術を持つホープの銃の腕前は、爽快感さえ覚えてしまいます。
ニコラとホープは血族の因縁でクリムゾンのところへに導かれていってしまいそうですが、彼らはその運命に打ち勝つことが出来るでしょうか? まだまだ物語ははじまったばかり、これからの展開と新たなキャラクターの登場にも期待していきたいと思います。
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