地獄から来た悪食伯爵ドグマ。彼の求めるものは美味な「本物の料理人の魂」。
そして、ドグマが目をつけたのは、フツーで自分に自信のない男子中学生、守屋悟でした。
サトルを本物の料理人に仕立てて喰うために、ドグマの極悪個人授業が今、始まります。
漫画「ヘルズキッチン」1巻のあらすじ
地獄の悪食伯爵ドグマは、本物の料理人の魂を求め、料理人を喰らい続けますが、なかなか理想の魂に巡り会えません。そんな彼が出会ったのは、どこにでもいるような中学三年生の守屋悟。
ゴミ箱から現われたドグマはサトルを、ドグマにとって究極の食材である「本物の料理人の魂」の器として育てると宣言します。地獄で最も美味なのは「本物の料理人の魂」だからです。
それ以来、ドグマはサトルにつきまとい、本物の料理人にするべくサトルを操り、数多の料理人と対決させて料理の腕を上達させていきます。
まずサトルが出会ったのは、高級レストランの総料理長である坂巻でした。ドグマはサトルを操って、坂巻の料理を罵倒し、厨房のゴミ屑だけで坂巻が作るより美味いハンバーグを作ると言い切ってしまいます。
それができなかったら営業妨害で警察に突き出すと激高する坂巻。果たしてサトルは坂巻に勝利することが出来るのでしょうか――?
漫画「ヘルズキッチン」1巻のネタバレ
ネタバレです。料理が出来ないサトルは、ハンバーグ勝負にうろたえますが、ドグマは余裕の態度を崩しません。「料理人の魂」を食べることでその者の記憶も取り込むことができるドグマは、ありとあらゆる料理に精通しているからです。
啖呵の通り、ドグマは捨ててある食材からハンバーグを作るよう、サトルに指示を出していきます。捨てられた肉からドグマの言うとおりにハンバーグを作りながら、サトルは不安のあまり、僕には無理だ、ドグマがやればいいと言ってしまいます。
ドグマはサトルを殴り、叫びます。「この私が選んだお前に出来ないことなどあるはずがなかろう!!」
そして屑食材からハンバーグを完成させたサトルは、坂巻の最高級の食材の最高の部分だけを使ったハンバーグに勝利しました。勝利の要因は坂巻の捨てたケンネ脂。ケンネ脂を刻んだ肉に加えると、旨みが増して口当たりもソフトになるのです。
サトルの同級生で気になる女の子、一ノ瀬初夏はじめ、審査員はサトルの料理に驚愕し、夢中でたいらげていきます。
――美味しい料理って人をあんなにも笑顔にさせるんだ。サトルは初めて知った事実を噛みしめるのでした。
そして、サトルは国立食農高等専門学校に入学します。この学校の調理学部は、世界で活躍出来る料理人を育てる養成所。サトルはドグマと共に、ここで様々な料理人と出会い、料理の腕を磨いていきます。
漫画「ヘルズキッチン」1巻の感想
昨今人気の料理人漫画の中でも、異色作だと思われる「ヘルズキッチン」は、掲載誌が少年誌だったこともあり、ファンタジーと料理が絶妙に融合しています。
ドグマに言われるままに料理をしていたサトルでしたが、だんだんと料理の面白さに目覚め、自分に何が出来るかということを見極めて行動していけるようになっていきます。
初めの行動力がなく受け身のサトルが成長していく様子も、この漫画の面白さの一つです。
そして、料理も予想以上に理論的に作られており、料理漫画としても十分楽しめる作品です。土を食べるシーンが作中にありますが、トンデモ理論と思いきや実際土食文化も世界にはあるそうで、思わぬ知識が身についたりもします。
まだまだ物語は始まったばかりですが、少年漫画のロジックで読める料理漫画は、今後どのような方向にストーリーが転んでいくか、先の展開が非常に楽しみです。
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