人との付き合いにおいて猫や仮面をかぶる。これは、誰しも大なり小なり身に覚えがあるものではないかと思うのですが、この漫画のヒロインの仮面には理由がありました。
そして、そんな仮面少女、千歳が出会ったのは、千歳の仮面をあっさり見破る毒舌イケメン男子の樹でした。
「セキララにキス」は、自分の素が出せない少女の悩みと葛藤が描かれた、共感度大の成長ラブストーリーです。
漫画「セキララにキス」1巻のあらすじ
女子高生、千歳は昔ドラマで見た、誰もが夢中になる女の子、その子の仮面を被ることで自分を守っています。
そんな千歳の家は、多国籍料理のお店をやっており、彼女は毎日店の手伝いと家事をこなしています。そして千歳の趣味は、小物作り。雑貨をつくっては店の片隅で販売することが、彼女の楽しみなのです。
ある日、千歳は駅で盗撮をされてしまいます。そこを助けたのが、有名高校に通う樹でした。お礼を言おうと慌てて追いかけた千歳は、自動ドアに激突。額から血を流しながらお礼を言う千歳に、樹は吹き出します。
樹の入った建物は、美術予備校でした。千歳は仮面をかぶって樹と会話しますが、あからさまに嫌がられた態度に、千歳は驚きます。
会話の流れで樹に予備校を案内され、千歳は雰囲気に圧倒されます。そして、端々からわかる樹の見透かしたような態度に、千歳は苛立ちが隠せません。
そこで、千歳は樹が自分が作った携帯カバーを使っていることに気づきます。千歳は動揺するも、樹は嬉しそうに千歳の雑貨を好きだと言い、二人の会話は弾みます。しかし、千歳はうっかり素でしゃべってしまっていました。焦る千歳ですが、樹はその方が好きだと笑います。
千歳は喜びますが、雑貨の話をするうちに、外面を気にする部分が出てしまい、樹にいい子ぶりっこだと言われてブチ切れて本音をさらけ出してしまいます。
仮面を剥がされていく自分に焦り、千歳はその場から逃げ出します。
ずっと仮面でうまくやってきたのに、なぜ責められるのか、本当の自分じゃ誰も受け入れない、そう自宅の裏で思い悩む千歳の元に、忘れ物を届けに樹が現われました。
樹は、千歳に素の方が好きだ、そうやって演じている限り誰もお前を好きにならないと言います。樹の言葉に千歳はすがりつくように、じゃあ、あなたが私の事好きになってと言った途端、樹は千歳にキスをしました。
自分は樹を好きで、樹には仮面は通用しない。それを悟った千歳は、樹に宣言します。
「誰かに嫌われるのを怖がるのはもうやめる」そう決心した千歳は、樹の通う予備校に体験を申し込むのでした。
漫画「セキララにキス」1巻のネタバレ
ネタバレです。予備校の体験を申し込んだ千歳ですが、まだ仮面は外しきれません。モテすぎる樹が過去の面倒な体験から女に厳しくなったと聞き、樹の情報も知ることができました。講師や樹に絵を教わりながら、千歳は少しづつ絵の腕前を上げていきます。
しかし、樹の予想以上の絵の腕前に焦り、自分は何のために予備校に入るのか悩み始めます。
一歩を踏み出そうにも踏み出せない千歳は、樹に店や家事など事情を話そうとするも、やらない理由を話さなくていいと突き放された態度をとられてしまいます。
その苛立ちを、恵まれている樹にはわからないと樹にぶつけた千歳は、樹に周りのせいにして中身がからっぽだと言われてしまいます。
その後、家に謝りに来た樹と話すうちに、千歳は自分が何かを作ることが楽しいという気持ちに気がつきます。
千歳は両親に自分の思いを話し、家族の応援の元、予備校に行く許可が得られました。予備校で千歳は樹にお礼を言い、千歳は樹に好きだと告白をします。しかし、樹は千歳の気持ちを勘違いだとして自分は恋愛感情を信じていないから千歳を好きにならないと思うと言います。
涙ぐみながらも、千歳は思います。
簡単に諦めたくない。やっとスタート地点に立てた。
予備校ではありのままの自分でやっていこうと決めた千歳の奮闘が今、始まります。
漫画「セキララにキス」1巻の感想
人に好かれるために、嫌われないように仮面を被る千歳。
それでうまくやってきていた千歳は、樹に会ったことで自分のからっぽさに気づき、自分の本当に好きな物に気づくことが出来ました。
少女漫画らしい恋もありますが、この漫画のもう一つのテーマは、好きな物に打ち込むことのすばらしさだと思います。学生の時だけでなく、社会人になって自分の好きな物に、やりたい事に気づき、人生を軌道修正された方もいるでしょう。
そういう方なら、この漫画の千歳の生き方は共感するところが大きいと思います。自分探しという言葉がありますが、本当に自分が好きな物、楽しい物にそのヒントがかくされているかもしれない、そんな事を考えさせられるような作品でした。
一度は振られたものの、千歳と樹は予備校の共同作業で距離を縮めていきます。これからの千歳の成長と恋の行方が楽しみです。
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