宇宙にはどのような世界が広がっているのでしょうか。それは空想するしかないのですが、色々な景色や動物がいるのではないかと想像はつきません。しかし良い生物だけでなく害を与えるような生物もいるかもしれません。
そしてこの鉄腕アダムは吾嬬竜孝さんの描く近未来宇宙を舞台にした壮大な物語です。
「鉄腕アダム」1巻のあらすじ
腐敗したビルの前に一人の男が立ち尽くす。彼は呆然とビルを眺め「だから言ったんだ・・・」と呟く。
場面は変わり人類は宇宙への飛行を楽しめるようになっていました。無邪気に喜ぶ子供が発見したのは異様な物体でした。人のような生き物はまるで軍事ロボットのようで身動きもせず、立ち尽くしていました。
しかし別の蝶のような物体がその宇宙船を襲うとした時その人間のような物体はその巨大な蝶と戦い始めました。その物体はアダムと言い人型のロボットでした。アダムは蝶の生物と格闘を続けその生物を地球上に落ちる前に倒します。しかしアダムは手を切られ大きな痛手を負っていました。
時は2045年アメリカとイスラムの戦いは治まりを見せたのですが、今度は台頭したロシアとアメリカの新たな冷戦が繰り広げられていました。そして地球は様々な環境汚染により火星への移住を始めていました。
近未来の壮大な物語
ネタバレです。この鉄腕アダムの世界は2045年と未来の話であり、ロシアとアメリカの冷戦と環境破壊により火星移住し始めている時代です。そして冒頭に出てきたように巨大な蝶の生物が宇宙にいます。
そしてその蝶と戦っていたのがアダムと呼ばれるヒューマノイド(感情を持ったロボット)です。彼は蝶に腕を切られても大丈夫という事はかなり頑丈であるでしょう。
宇宙での激戦の後、アダムはある人物と話していました。その人物はジェシーと言いインテリ系のクールな科学者でした。ジェシーはアダムを英雄として評価しますが、アダムは当然の事と聞き流します。
そしてジェシーはアダムにあの巨大な蝶が8体残っていると科学機関からの観測で確認されていてこの年の夏にまっすぐ地球へと向かっていると言います。続けてこの夏が重要だという事を付け加えます。
感想
鉄腕アダムは近未来を舞台にした壮大なSF漫画です。アダムは感情を持つヒューマノイド、ジェシーはこのアダムを開発した科学者です。巨大な宇宙の蝶はアダムが倒した他に残り8対いて、アダムに大きな痛手を負わす程強力な敵です。
場面が変わり、ジェシーがテレビ番組に出演の為にTV局に向かっているとひったくりが現れます。その犯人を追いかけてある女性が走っている最中にジェシーのコーヒーに触れてしまい、そのコーヒーがジェシーにかかると彼は彼女が強盗を追いかけているにも拘わらず、自分への謝罪を要求します。
その事に反抗する彼女にジェシーはコーヒーをその女性にかけます。彼女はヘザー・バンズと言い後にジェシーの護衛につく勝ち気な女性です。この場面を見る限りジェシーはプライド高き変わり者といった感じでしょうか。
その後テレビでのインタビューでジェシーは蝶の生物の事など、最高機密を話します。その事にオバマ大統領のような雰囲気のボーマン司令官に叱責を受けますが、軽くそれを流していきます。ここで冒頭の「だから言ったんだ」というセリフが頭をよぎります。冒頭の男性がジェシーと確定していませんが、ここは大きな伏線でしょう。
このタイトルを見て鉄腕アトムへのオマージュ作品かと思いきや、実際は趣が違う作品であるという事が読み進める事で分かってきます。もう一つ気になるのが手足をもぎ取られたアダムが普通に話をして、お風呂のような所に入っています。彼は不死身なのでしょうか。
後半での蝶の化け物と激戦を繰り広げ瀕死の重傷を負うアダムですが、これはシュミレーションなのですが、これも伏線なのでしょうか。1巻の中でたくさんの内容を描き読み応え十分です。今後新しいSF作品の流れを作るような作品かもしれません。伏線回収を次巻よりあるでしょうが、意外な形で回収されるかもしれません。
アメリカンテイストのタッチと軽い感じのセリフが、新しいスタイルの漫画として確立されるのでしょうか。
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