日本一のキャバクラの街六本木。そこでキャバクラ、クラブ・ピアニッシモの社長を務める西崎達也には、野望がありました。
日本一の店を作る、そのために達也はキャバ嬢No.1を決めるイベント、Q-1グランプリを大々的に開催し、優勝賞金は一億を出そうというのです。
そして、親が負った一億五千万円の借金のために、キャバ嬢になりグランプリを目指そうとする女子大生がいました。
彼女の名前は藤崎彩。彩は、達也の店でNo1キャバ嬢として花開いていきます。
漫画「嬢王」1巻のあらすじ
クラブ・ピアニッシモの社長の西崎達也は、老いも若きも男が行きたくなるような日本一の店を作るため、キャバ嬢No1を決める一大イベント、Q-1グランプリを、優勝賞金一億をかけて大々的に執り行おうとしています。
また、別の所では親の会社が倒産して、莫大な借金を背負うことになった女子大生がいました。彼女の名前は藤崎彩。厳しい取り立てで父親は半身麻痺と言語障害が残り、彩は父の面倒を見て、自分が借金を返そうと決意します。
彼女が選んだ道は、キャバ嬢でした。アルバイトでキャバ嬢をやっている友達の純から、一億の賞金が出るグランプリの話を聞き、純の紹介で彼女のいるピアニッシモで働くことになりました。
そんな彩に目をつけた達也は、彩の才覚と覚悟のほどを見ようとします。
達也は彩と話すうち、家族思いである彩と、自分の父と妾であった母の事を比べます。父に捨てられ、女の意地で達也を育てぬき、最後には自殺した母……親を救おうとする彩と、何も出来なかった自分。自分が出来なかった事をやろうとする彩に、達也は感じるものがあり、新人の彼女が何も知らずにグランプリを目指そうとする事に、あきれます。
そんな彼女のやる気を認めつつ、達也は体験入店の課題を出します。閉店までに場内指名を10本とること。
彩はこの課題をクリアすることが出来るでしょうか――。
漫画「嬢王」1巻のネタバレ
ネタバレです。初めてで10本指名というのは、純や黒服達から見てもキツイ課題でした。純のサポートも受けながら、彩はクリアを目指そうとします。
そして、彩の最初の客は、別れた彼氏直樹でした。水商売で働く自分を見られ、直樹は自分にはヤラせなかったくせに金のあるオヤジには良いのかと彩をののしります。
夜の女に対する偏見に傷つけられた彩は、涙ぐみ、そんな彼女を達也は冷静な目で見つめます。彩は純に教えられながら、なんとか仕事をこなしていきます。
彩の初々しさと真心に、徐々に彩を指名する客も出てきます。しかし、彩がとった指名は4本。スタッフは上出来だとしながらも、課題クリアには至りません。
約束だと達也は彩を一日でクビにします。
しかし、辞めてしまった彩を気にかける者が、スタッフにいました。はかなげで妙に印象に残る彩を残して良かったという彼に、達也は辞めさせたのもテストだったと言います。
本気なら戻ってくる、しかしこのまま夜の世界に居ても彩には辛すぎると、達也は彩にとってはキャバ嬢をあきらめた方が幸せだと考えているのです。
そして、彩を気にかけるのはスタッフだけではありませんでした。彩を覚えていた何人かの客が彩を指名してきたのです。彩を呼べ、と達也は笑顔で言います。
こうして彩はピアニッシモに返り咲き、No1への道を目指すのでした。
漫画「嬢王」1巻の感想
水商売を題材にした漫画は数あれど、この嬢王は何度もドラマ化も果たした名作です。
お嬢様育ちの彩が、父の会社の倒産で全く縁のなかった水商売の世界に飛び込み、その頂点を目指すという物語は、彼女の境遇とけなげさもあいまって、彼女の行く末を見守りたい気持ちになってしまいます。
他のキャバ嬢にない魅力で客をつかんでいく彩ですが、夜の世界は一筋縄ではいきません。金の力で女を思い通りにしようとする客や、他の街から来た海千山千のNo1キャバ嬢など、クセのある人達の中で、彩は六本木という街を泳ぎきっていきます。
彩は見事グランプリをとり、親の借金を返済することができるのか、キャバ嬢として生きる彼女の覚悟を見届けていきたいです。
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