音楽の好みは千差万別です。ポップやロック、クラシックといろいろな音楽が巷に溢れ皆それぞれの好みに合わせて聞いています。人間の数ほど音楽の好みはあるでしょう。
ところでJAZZと言えば高尚な音楽と捉えられます。またおしゃれな感じがあります。しかしJAZZの魅力はそれだけでなく即効的なバトルのような演奏にあると言われます。ステージは戦場であるかのようです。たくさんの有名なミュージシャンが数々の名演を聞かせてくれます。
そして石塚真一さんの漫画「BLUE GIANT」はそんなJAZZミュージシャンを目指す男の子の物語です。熱い漫画です。
「BLUE GIANT」のあらすじ
仙台市の川沿いの土手で一心にサックスを吹く高校生宮本大はバスケ部に所属しています。バスケに情熱を傾けるどこにでもいるような明るい高校生です。最後の大会に挑む大達は部活とは何だったのかを話していました。
しかし大は自転車で土手に着くとサックスの練習をしました。バスケでの自分に限界を感じていた大はこの時にすでにJAZZのプロミュージシャンになりたいと思っていました。そして最後の大会では惜敗してしまいます。
その後大は中学の同級生で大をJAZZの世界に連れて行ってくれた周平の元に向かっていました。高校生になって初めての対面に喜ぶ周平でした。周平は高校でJAZZピアノをやると言っていましたが、現在では方向転換して医者を目指していました。
そして大は周平をいつもの練習場に連れて行くと自分のサックスを聞かせます。その迫力に周平は圧倒されます。大がJAZZプレイヤーを目指すというと、周平は世界一の医者を目指すと言います。
音楽に情熱を打ち込む
ネタバレです。宮本大は普通の高校生ですがJAZZミュージシャンを目指し、我流ながらサックスを欠かさず練習していました。彼は同級の周平が連れてくれたJAZZ喫茶でのプレイにすっかり魅了されここからJAZZの魅力にはまっていきます。
そして来る日も来る日も練習を欠かしませんでした。周平の元へ向かう時に彼は最後の大会での敗戦を思い出し、「音楽でも負ける日があるのかな」と思います。
そして部活が終わった後でも練習を休む事もなくサックスを吹き続けます。ある雨の日サックスのリードを買いに町の楽器店へと向かいます。そこで店長に新しい練習場所を教えてもらいます。そこは学校で話題のきついと言われる坂「オニ坂」の頂上にあるトンネルの中でした。不安げながらもサックスを吹くとトンネル内の反響に気分を良くする大でした。
感想
この「BLUE GIANT」はJAZZミュージシャンを目指す宮本大の物語です。当然挫折を味合う事はありますが持ち前のポジティブさで乗り切ります。とにかくテンポが良くJAZZというおしゃれなイメージがある音楽と離れた純朴なタッチはとても読みやすいです。
結構JAZZという音楽は誤解される事が多いのですが、おしゃれというイメージだけが一人歩きしています。しかしJAZZの魅力というのは激しく熱いのです。その事で大も軽音楽の入江というすかした男と喧嘩になります。
もちろん学校でもおしゃれというイメージで捉えられますが、大はそんな事は全く考えてなく熱く激しい演奏をしたいと思っています。だからJAZZをもっとよく分かって欲しいとも思っています。
大の演奏はお世辞にも上手いとは言えず、下手だと言う評価が多いでした。しかし彼のサックの迫力には誰しも驚きます。それほど大のプレイには魂がこもっていました。それが虚実に現れているのがプロとのセッションの中での他の演奏を遮るほどの大きな音での演奏でした。これは失敗に終わったのですが後日談として大の将来性を語るエピソードとなっています。
最後の方で福岡に引っ越していくバスケ部の友達光明の為に送別会を開き自分のサックスを聞かせると光明は感動で涙を流します。今後この物語はどのように展開するのでしょう。最後の方で当時を振り返るといった場面があるという事は彼は成功を収めているのではないでしょうか。
そしてこの漫画の魅力はコミックの表紙がカッコいいという事です。色遣いも完璧でインテリアといった感じもあります。内容も面白く一気に読める漫画です。最高の漫画です。
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