赤目一味の跡目争いの末、お頭の遺言は無視され、弁蔵と宗次は一味を去り旅に出ました。平塚では賭場で盗みを働きながら、宿で一時を過ごします。
更に足を進めるふたり、山越えに挑みますが、どうやらすんなり山越えとはいかないようです。ふたりの目の前に現れたのは、敵か味方か・・・。
「ふたがしら」2巻のあらすじ
山越えをしていたふたりの目は、倒れている男に注がれます。追い剥ぎにでも遭ったのかと思いきや、その男は江戸火付盗賊改方の役人で、護送中の咎人を奪われたと言うのです。
その役人は、死の間際、ふたりにあるものを託します。どうやら文のようです。それを受け取ったふたりは、再び江戸へと向かうことを決心しますが、方法は関所破りしかありません。
生き残った3人のうちのふたりから手形を譲られた弁蔵と宗次。変装し、江戸へ向かうふたり。
しかし、宿につき、ひとり酒場へ繰り出した弁蔵は、そこで騒ぎを起こします。酒が入ると人が変わったようになってしまう弁蔵に手を焼いた宗次。
言い争いの末、ふたりは別行動をとることになってしまいました。
「ふたがしら」2巻のネタバレ
弁蔵と宗次は再び合流し、江戸へ向かいます。役人の手下になったかと思われたふたりに追手がやってきます。
しかし、その追手の前で、ふたりは驚くべきことを言うのです。死んでいった役人から預かったものは、江戸にいる役人の妻への、土産の櫛だったのです。
死に逝くひとりの男の頼みに、危険を冒してまで江戸へ向かい、受け取った役人の妻は涙を流すのでした。
江戸の用を済ませ、次は西へ向かった弁蔵と宗次。向かう先は大坂です。大坂で船宿をやっている柏屋の夜坂を訪れます。
夜坂の隠居に会うことができたふたりは、赤目の一味を抜けてきたことを話します。
しかし、夜坂の一味に入る気は全くなく、自分らがでかい人間になるために必要なものを、ここから吸収しようというのです。都合のいいふたりの言い分でしたが、それでもなんとか話がついたのでした。
隠居の計らいで、しばらく身を寄せることになった弁蔵と宗次ですが、夜坂の頭はきにいりません。このまま何事もなく過ごせる空気ではなかったのでした。
感想
性格は対照的な弁蔵と宗次。思うままに突き進み、後先考えない弁蔵と、沈着冷静で隙のない宗次。
しかし、水と油のようなふたりだから、一緒に居てバランスがとれているのかもしれませんね。
宗次は事あるごとに弁蔵をたしなめていますが、弁蔵の性格は一朝一夕に変わるものでもなく、文句を言いながらも、宗次は弁蔵を見捨てることはしないというのが、ふたりの仲を物語っているように思えます。
でかいことがしたい、でかくなりたい、という二人が、次に身を寄せることになった大坂の夜坂一味。隠居に了承は得ても、頭に気に入られていないことから、これから何か起こりそうな気配ですよね。
一味に身は寄せても、一味の仲間に入るわけではない弁蔵と宗次は、これからどうやって生き延びていくのか、今後の展開が楽しみです。
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