ゲームの世界は現実には考えられないような世界を作りだします。外へ出るといきなり海であったり、空が広がっていたりと思っていないような世界が広がっています。それがゲームの面白さであり醍醐味です。
たかみちさんの「百万畳ラビリンス」はまさしくゲームのような世界観を体感できる漫画です。予想不能の世界を体感してみて下さい。
百万畳ラビリンスのあらすじ
玖波島礼香はゲーム大好きな大学生です。そして彼女のルームメイト庸子はがっちりした体格にかかわらず同じくゲームヲタクです。二人は同じゲーム会社でアルバイトをしています。
ある日突然会社が木造アパートの果てない畳の部屋となっていました。走れ走れど畳の部屋の迷路といった感じでした。しかし礼香はその状況を驚くどころか楽しんでいました。
あれこれ物を物色する礼香に飽きれつつも出口を見つけようとする庸子。庸子の必死さにゲームを楽しむように出口を一緒に探します。しかし歩いても出口らしい所は見当たりません。二人の推理を始めますが、全く分からないことだらけで答えは見つかりません。
更に出口を探し続けていると、階段の下に人影を見つけます。敵か味方か分からない人影に立ちすくむ二人ですが、庸子は意を決してスリッパを投げます。すると驚いた事にそのスリッパが礼香に当たります。不思議な状況に二人は呆然としてしまいます。
無限に広がる迷路
ネタバレです。礼香と庸子というゲームヲタクの二人が遭遇する迷路を巡るサスペンスです。しかし切迫した雰囲気はなくほのぼのと物語は進みます。
いきなり畳の部屋を走り抜ける二人が見たのは果てない畳ワールドです。しかしそれを楽しみあちこちと物を物色する礼香。その行為に呆れる庸子ですが頑張って出口を探していきます。
そんな庸子の頑張りも上手くいかずますます袋小路へと落ちていきます。しかし礼香はその状況を楽しんでいるようでした。階段の下の人影は実は自分達の投影された姿でねじれた空間が作りだされていたのでした。
そのような事実にも礼香は楽しんでいます。それから二人はまた出口を探していきます。それは困難を究めるのですが、全く緊迫感はなくゲームをやるように楽しむ二人でした。そして二人は運命的とも言えるちゃぶ台を見つけます。その上には書置きがありました。
感想
今回の漫画「百万畳ラビリンス」は迷路を探求する物語です。アドベンチャー的な物語でなくほのぼのとした物語です。それを礼香と庸子の二人で展開していきます。珍しい漫画です。二人での展開が違和感はなく他の登場人物が出てこない中で木造アパートの畳の迷路だけで物語を展開させていきます。
しかし物語を読み進めると礼香の敬愛するクラインソフトのタガミが登場します。この人物が鍵を握りそうですが、アッと驚くような登場ではなくふわっとした登場でこの物語に合っています。
全体的にのんびりとした感じが癒されていきます。物語の中盤では森の中を散策してモンスターなども出て来るのですが、相変わらず緊迫感はないです。結構危ない場面もあるのですが、なぜか微笑ましい雰囲気です。
しかし礼香がなぜゲームにはまるように(コミニケーションが苦手)なったのかという所は少しシリアスな感じで描かれています。ここのギャップもいい感じです。
絵柄がほのぼのとしていて、しかし風景描写はしっかりと描かれているので読んでいて安心感と読み進む楽しさがあります。
サスペンス的な楽しさを満喫しつつ癒されるような絵柄に引き込まれページ数はあるのですが一気に読めます。アニメ化されるとこの世界観がもっとよりよく表現できるのではと思ってしまいます。とにかくきれいな画が印象的です。
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