アンティーク界稀代の贋作家、滝川蓮の娘として生まれた明。大好きな父の仕事姿を間近で見て過ごし、明の目利きの才能は驚くほどです。
贋作家として世間から犯罪者として見られたまま死んでいった父。父の形見を探し続けた明は、思いもよらない世界に飛び込むことになります。
明と侯爵の、あたたかいラブストーリーです。
「大正ロマンチカ」1巻のあらすじ
時は大正時代。
明が父の形見であるブローチを探し求め、やっとみつけた先はランスウォル侯爵邸でした。金髪碧眼の若きランスウォル侯爵は、自分に会いに来たのがあの滝川連の娘であることに驚きます。
侯爵邸にはたくさんのアンティークがあり、父の形見であるブローチもこの屋敷に飾られていました。返してほしいと懇願する明に、侯爵はひとつ条件をつけます。
それは「僕のパートナーになること」でした。
晩餐会へ一緒に行く相手をちょうど探していた侯爵は、明にその役を頼んだのです。しかし、パートナーの意味を「お嫁さん」と勘違いした明は、立派なお嫁さん役を全うしようと、連れ立って晩餐会へと出かけます。
そこは見たこともない華やかな世界で、目を奪われる明。
そしてこの晩餐会は、様々なアンティークを侯爵のために披露する会でもありました。侯爵に勧めていた椅子が贋作であるとすぐに見抜いた明。その知識に一同は驚くばかりでした。
「大正ロマンチカ」1巻のネタバレ
ランスウォル公爵から、宝探しだと言われ小川伯爵邸を訪れた明。小川伯爵は、用事は娘の早紀に任せると言い残し出ていきます。
早紀と公爵を引き合わせる目的でもあったのです。
早紀が大事にしている指輪を見た明。貝の浮彫がはめ込まれたその指輪は、早紀が愛する人からの贈り物でした。裕福な家の息子ではないため、父親から反対されている早紀でしたが、偽物のシェルカメオをとても大事にしています。
贋作を憎む明ですが、モノは贋作でも、思いが本物の場合は大事にしたいと思うのでした。
公爵に新たな手伝いを求められた明。数々のアンティーク品の写真の中に、見覚えのあるものがありました。保管されている無人の洋館へ出向いた公爵と明。
隠し部屋に置かれたそのアンティークは、明の父の贋作ではありませんでした。世に出回る父の作った贋作ではなかったことに安堵し、明は涙するのでした。
感想
ランスウォル公爵は、明の目利きをどう利用しようとしているのでしょう。品評会に連れていくだけのパートナーではなさそうですよね。何かに利用しようとしているようですが、真意はどこにあるのでしょうね。
しかし、明と過ごすうちに、明が可愛くて仕方なくなっている様子の公爵。単なる仕事のパートナーだけではなく、生涯のパートナーとして明を見始めるのかもしれませんね。
明の父親が、稀代の贋作家ということで、明の目利きは素晴らしいものですね。あらゆるアンティークに詳しくて、様式から作り、ネジなどの小物に至るまで細かに鑑定しますよね。
そのキラキラとした眼差しが、とても可愛らしいです。
ランスウォル公爵のパートナーとして、これからもいろんなアンティークと接していくであろう明。父親の贋作と向き合ったとき、明はどうするのでしょうね。この先がとても楽しみです。
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